1月の欧米クラシック・シリーズで上映したアメリカンクラシックホラーを7作品を1日で一挙再映します。
ホラーと言ってもいずれも一流スタッフ・キャストで製作された本格的な逸品揃い。
刺激的な描写に頼る昨今のホラー映画に食傷気味の方にこそお楽しみいただぎたい珠玉の7本です。
気になる作品をセレクトして観るも良し、一気観にチャレンジするも良し!!
一気観の猛者には嬉しい1日フリーパスもございます。
終映後には、恒例の支配人を囲んでのカレー懇親会もございますので、篤志家の方はぜひどうぞ!
開催日 2月4日(日)
上映作品(全作品アメリカ/モノクロ/DVD上映)
『呪いの家』 Uninvited (1944/99分)
監督: ルイス・アレン
製作: チャールズ・ブラケット
原作: ドロシー・マカードル
脚本: ドディ・スミス フランク・パートス
撮影: チャールズ・ラング
音楽: ヴィクター・ヤング
出演: レイ・ミランド ルース・ハッセイ ゲイル・ラッセル ドナルド・クリスプ コーネリア・オーティス・スキナー ドロシー・スティックニー
☆作曲家のリックとその妹パメラは、英国の片田舎の海の側の断崖に立つ古いジョージア風の邸宅を見て、すっかり気に入り買い取る。彼等はこの邸宅が幽霊屋敷の噂がある事を承知の上で契約した。しかし、引っ越ししたその夜から異様な叫び声が聞こえたり、ミモザの強烈な香りが漂ってきたり、奇怪な現象が相次いで発生した。やがて、リック兄妹が前の持ち主ビーチ中佐の孫娘メレディスを晩餐会に招待した事から、事態は思いもよらない方向に向かって行く。全編に幻想ムードが漂うゴシック・ホラーの傑作で、マーティン・スコセッシはこの映画を最も怖い11のホラー映画の3位に選ぶなど評価が高い。音楽はヴィクター・ヤングがこの作品のために作曲したジャズナンバー「星影のステラ」。アカデミー撮影賞にノミネートされたラングのモノクロ撮影が素晴らしい。
『悪魔の人形』 The Devil Doll(1936/78分)
監督: トッド・ブラウニング
製作: E・J・マニックス
原作: エイブラハム・メリット
脚本: ギャレット・フォート ガイ・エンドア エリッヒ・フォン・シュトロハイム
撮影: レナード・スミス
音楽: フランツ・ワックスマン
出演: ライオネル・バリモア モーリン・オサリヴァン ルーシー・ボーモント フランク・ロートン ロバート・グレイグ グレイス・フォード
★元銀行家のポウルは、同僚3人に裏切られ冤罪で17年間入牢していたが、同囚のマルセルと脱獄する。マルセルは森の中に秘密の研究所を持っておりポウルを案内する。マッド・サイエンテイストのマルセルと妻マリタは、原子を縮小する事によって人間や動物を6分の1に縮小する実験に成功していた。しかし、完成目前にマルセルが急死したため、ポウルはマリアを伴ってパリに現れる。“悪魔の人形”を使って裏切り者に復讐するためだ。やがて古い建物の地下に人形店を開き復讐の機会を狙う。脱獄囚のポウルは老婆に変身しながら一人ずつ裏切り者たちに復讐していく。『フリークス』のトッド・ブラウニングが手がけた怪奇復讐ホラーの傑作で、グリフィスの『イントレランス』で助監督をつとめたブラウニングの独特の風格ある演出力は見応え十分。
『狂恋:魔人ゴーゴル博士』 Mad Love(1935/68分)
監督: カール・フロイント
製作: ジョン・W・コンシダイン・Jr
原作: モーリス・レナール
脚本: P・J・ウルフソン ジョン・L・ボルダーストン
撮影: チェスター・ライオンズ グレッグ・トーランド
音楽: ディミトリ・ティオムキン
出演: ピーター・ローレ フランセス・ドレイク コリン・クライヴ
★舞台はパリ。著名な外科医ゴーゴルは舞台女優のイボンヌに惹かれていたが、彼女がコンサートピアニストのステファンとすでに結婚してる事を知り激しく嫉妬し嫌悪する。ゴーゴルの一方的な愛にイボンヌは困惑するが、ステファンが列車事故で両手に大けがを負う事故が発生する。イボンヌは彼の手は命と同じだと知っているので、恐怖心を押さえてゴーゴルの元に行き手の再生を懇願する。ゴーゴルは処刑された殺人鬼ロロの手をステファンに移植する事を決める。手術は成功したが恐ろしい副作用が待っていた。フリッツ・ラングの『メトロポリス』などのキャメラマンとして知られるカール・フロイントが、狂気の愛と幻想を描き上げた佳作。ピーター・ローレがゴーゴルを怪演する。
『五本指の野獣』 The Beast With Five Fingers (1946/88分)
監督: ロバート・フローリー
製作: ウィリアム・ジェイコブス
製作総指揮: ジャック・L・ワーナー
原作: ウィリアム・フライヤー・ハーヴェイ
脚本: カート・シオドマク
撮影: ウェスリー・アンダーソン
音楽: マックス・スタイナー
出演: ロバート・アルダ アンドレア・キング ピーター・ローレ ヴィクター・フランセン J・キャロル・ネイシュ チャールズ・ディングル
★体が不自由で著名なピアニストのイングラムが亡くなった。残された遺言には彼の個人秘書だったヒラリー・カミンズの名前が受取人に含まれてなかった。長年尽くした主人に裏切られたと怒り狂ったカミンズは復讐のため死体から手を切り取る。だが切り取ったその手は独自の生命を持っていて、目を向いて逃げ回るカミンズを執拗に追い回す。切り取られた手が勝手に動き回り主(主)の憎悪を形に変えていく。『モルグ街の殺人』などで知られるロバート・フローリーの初期の古典的ホラー。
『古城の扉』 The Black Room (1935/70分)
監督: ロイ・ウィリアム・ニール
脚本: アーサー・ストローン ヘンリー・マイヤーズ
撮影: アレン・G・シーグラー
出演: ボリス・カーロフ マリアン・マーシュ ロバート・アレン サーストン・ホール キャサリン・デミル ジョン・バックラー ヘンリー・コルカー
★舞台は18世紀のヨーロッパ中部のチロル地方。バーグマン男爵家には代々言い伝えがあった。それは、双子が生まれたら惨事が起り家は崩壊するであろうという不気味な予言だった。そのため、当主グレゴアと双子の弟アントンが生まれた時は城は大騒ぎになった。そのため大人になったアントンは年中旅に出て城にいつかなかった。不気味な容貌の兄グレゴアは、得体の知れない行動で人々に嫌われていた。このグレゴアと深い関係だったのが、ハッセル大佐の娘テアの侍女マシュカだった。だがグレゴアがテアに近づき、求婚した事からマシュカが逆上。自分とグレゴアとの関係、と“黒い部屋”(原題)の秘密をテアにばらすと脅迫するが、グレゴアに殺され“黒い部屋”につき落とされる。たまたま旅から戻っていたアントンはこの事件を知ったため、グレゴアに殺害されてしまう。グレゴアは瓜二つのアントンを装ってテアに近づこうとする。ラスボーン版『シャーロック・ホームズ』で名高いロイ・ウイリアム・ニールがカーロフ主演で描いたゴシック・ホラーの力作。
『大鵜』 The Raven (1935/61分)
監督: ルイ・フリードランダー
製作: デヴィッド・ダイアモンド
原作: エドガー・アラン・ポー
脚本: デヴィッド・ボーム
撮影: チャールズ・スチューマー
出演: ボリス・カーロフ ベラ・ルゴシ アイリーン・ウェア レスター・マシューズ サミュエル・S・ハインズ スペンサー・チャーターズ
★『黒猫』(’34)に続いてルゴシ=カーロフが共演した怪奇ホラーでエドガー・アラン・ポーの詩“大鴉”のイメージからフリードランダーが演出。ヴォリン博士は著名な医者だったがエドガー・アラン・ポーの小説に熱中するあまり時々奇怪な行動をした。サッチャー判事の娘で美貌のダンサー、ジーンはヴォリンの治療で一命を取り留めた事から感謝しているが、ヴォリンはジーンに激しく惹かれ言い寄る。しかし、ジーンズはヴォリンの助手ホルデンと婚約していたため、父サッチャーがヴォリンに娘をあきらめるよう説得するが物別れに終わった。ある夜ヴォリンの家にベートマンという謎の男が訪ねてきた。彼は脱獄中の殺人鬼で、知られている顔を整形して欲しいという依頼だった。ヴォリンはベートマンにある条件を付けて手術を引き受け、執行する。この作品の成功でカーロフ&ルゴシは二大怪奇スターの地位を決定づけた。
『悪魔の命令』 Devil Commands (1941/65分)
監督: エドワード・ドミトリク
製作: ウォーレス・マクドナルド
脚本: ロバート・D・アンドリュース ミルトン・グンツブルク
撮影: アレン・G・シーグラー
編集: アル・クラーク
出演: ボリス・カーロフ リチャード・フイスケ アマンダ・ダフ アン・リヴェール ドロシー・アダムス
★ジュリアン・ブレア博士は妻を交通事故で亡くしたとき、人間の脳波に関する変わった研究に没頭していた。悲しみに沈む博士は、自分の研究を進化させて死者と交流する事に取り憑かれるようになる。学問の禁じられた領域に入るからと、周囲から激しい警告を受けるが止めようとはしない。やがて博士は研究室を人里離れたニューイングランドに移して、亡くなった妻へ接触する奇怪な試みを続ける。彼を密かに助けているのは知的障害のあるカールや博士や、不吉な影響を伝える霊媒師ウオルタース夫人だ。しかし、好奇心旺盛な家政婦が彼らの実験の真実を知った事から事態はは思わぬ方向に向かっていく。『十字砲火』などの巨匠ドミトリクがキャリア初期に作り上げた一風変わったホラー映画。
タイムテーブル(全回入替制)
①9時30分~『呪いの家』
11時10分~入替
②11時20分~『悪魔の人形』
12時40分~入替
③13時~『狂恋:魔人ゴーゴル博士』
14時10分~入替
④14時20分~『五本指の野獣』
15時50分~入替
⑤16時~『古城の扉』
17時10分~入替
⑥17時20分~『悪魔の命令』
18時25分~入替
⑦18時35分~『大鴉』
19時35分終映
※終映後、当館近所ネパール料理店『ラスミ』にて支配人を囲んでのホラー懇親会あり(要別途会費)
入場料:各1100円均一(当日券のみ)
※7本フリーパス 前売4000円 当日5000円
ランチ付フリーパス 前売のみ4500円(②と③の間の休憩時間にご提供・サンドイッチ&ソフトドリンク)
懇親会費3500円(おつまみ、カレー、ナン食べ放題・呑み放題付)
クラシックホラー大会
Copyright (C) 2015 copyrights.cinema novecento All Rights Reserved. © 2015 by Cinema Novecento Films. Proudly created with Wix.com
運営会社:株式会社シネマノヴェチェント 〒220-0051 横浜市西区中央2-1-8 岩崎ビル2F ☎045(548)8712 eメール:info@cinema1900.yokohama