欧米クラシック・シリーズ第11弾は戦前から戦後にかけて人気を博したハリウッド製ギャング映画を17本セレクトしてお届けします。
エドワード・G・ロビンソン、ジェームズ・キャグニーら、ギャング映画でスター街道を歩み始めた名優たちの主演作を中心に、名作から隠れた秀作まで、銃口にしか人生を見出せなかった男たちのドラマを存分にお楽しみ下さい。
例によって複数本割もございますので、ぜひご利用下さい!!
上映期間 11月6日(月)~17日(金)
上映作品(全作品DVD上映)
「最後のギャング」The last gangster
(1937/米/B&W/81分)
監督:エドワード・ルドウヴィグ
原案:ウィリアム・A・ウェルマン ロバート・カーソン
脚本:ジョン・リー・メイヒン
撮影:ウィリアム・H・ダニエルズ
音楽:エドワード・ウォード
出演:エドワード・G・ロビンソン ジェームズ・スチュワート ロサ・ストラドナー ライオネル・スタンダー ダグラス・スコット ジョン・キャラダイン シドニー・ブラックマー
☆ギャングの親分として鳴らしていたジョーは故郷の中欧でタルヤという娘と結婚し帰国する。ジョーは自分の子供が欲しいためだけの結婚だった。おまけに英語を話せないタルヤはジョーの仕事など全くわからないでいた。一方、日頃から反目するギャングのカイル兄弟が留守中に縄張りを荒らしたことを、子分から聞いたジョーは激怒する。ジョーは手下を連れて兄弟三人を殺すが、子分のエーシーは危機一髪で逃走し復讐の機会を狙う。翌朝、ジョーはタルヤから妊娠したと聞き喜ぶが警察の手入れがありカイル兄弟殺人容疑で逮捕される。『犯罪王リコ』(’3I)でハリウッドにギャング映画ブームを作ったロビンソンのふてぶてしさが全編に漂う佳作。前年の『超スピード時代』で初主演したスチュアートがタルヤに近づく新聞記者役で出演している。
上映日:11/6(月)13時~、11/15(水)17時~
「前科者」Invisible stripes
(1939/米/B&W/81分)
監督:ロイド・ベーコン
脚本:ジョナサン・フィン
脚色:ウォーレン・ダフ
撮影:アーネスト・ホーラー
音楽:ハインツ・ロームヘルド レオ・F・フォーブステイン
出演:ジョージ・ラフト ウィリアム・ホールデン ハンフリー・ボガート ジェーン・ブライアン フローラ・ロブソン ポール・ケリー
☆クリフとチャックは一緒にシンシン刑務所から出所した。クリフは一旦は堅気の生活を試みるが、チャックと彼の仲間と共にまた犯罪の世界に逆戻りしてしまう。堅気の弟ティムに修理工場を買い与え、彼の恋人と結婚させらるだけの金を稼ぐと、クリフは再び犯罪の世界から手を引く。だがチャックを手助けしようとしたことで、再び犯罪に巻き込まれるのだった。主演のジョージ・ラフトより相棒のボガートの迫真の演技が冴え渡る。’30年代に数多くのギャング映画を演出したロイド・ベーコンの職人技とも言えるラストの警察との銃撃戦は迫力満点だ。
上映日:11/6(月)15時~、11/13(月)13時~
「夜の大統領」Smart money
(1931/米/B&W/81分)
監督:アルフレッド・E・グリーン
脚本:キューベック・グラスマン ジョン・ブライト ルシアン・ハバード ジョセフ・ジャックソン
撮影:ロバート・カール
出演:エドワード・G・ロビンソン イヴァリン・ナップ ジェームズ・キャグニー ノエル・フランシス モーガン・ウォーレス ラルフ・ハロルド ボリス・カーロフ
☆小さな田舎町の理容師ニックは天才的な賭博師で、仕事が終わると裏の部屋で賭場を開いていた。勝負強いニックだが負けた客を怒らせない術も心得ていたので賭場は繁盛した。一方、彼は都会で大賭博師になる夢を持っていた。機会が訪れ都会に行ったニックは噂に聞く賭博師ヒッコリー・ショートと勝負をしたいと思い立つ。知り合った金髪女マリーの紹介で彼に会い、手合わせするがニックは大負けする。ヒッコリーだと思って勝負した男は実はスリーピー・サムというイカサマ賭博師で、マリーはサムの情婦だった。ニックはヒッコリーがフロリダにいることを突き止め、復讐のために故郷の町と同じように理髪店を開業し、弟のジャックを相棒にして賭博場を開業する。『民衆の敵』(’31) で一躍ロビンソンと並ぶギャング・スターとなった、キャグニーが共演したリアルな犯罪映画。
上映日:11/6(月)17時~、11/14(火)13時~
「ギャングスター」The gangster
(1947/米/B&W/84分)
監督:ゴードン・ウィルズ
原作・脚本:ダニエル・フックス
撮影:ポール・アイヴァノ
音楽:ルイス・グルーエンバーグ
出演:バリー・サリヴァン ベリタ ジョーン・ロリング エイキム・タミロフ ヘンリー・モーガン
☆シュバンカは安っぽいコニーアイランドともいうべきネプチューン・シティのみすぼらしい地域で非合法組織を回しているたたき上げの男だ。彼はナイトクラブの歌手に入れあげ、次々贈り物をして目をかける遂に商売用の資金までもつぎ込んでしまう。やがて彼より冷酷なヤクザ者のコーネルがシュバンカの縄張りに入り込んで来る。しかし、彼の判断力はすでに曇りコーネルはシュバンカの仲間を買収したり、脅したりして彼の牙城を切り崩してくる。ギリシャ悲劇のようにわずかな弱点がギャングの失脚の理由となるのだ。数多くのアクション映画に出演しているバリー・サリバン主演、ニューヨークのギャングの半生を描いた犯罪映画。
上映日:11/7(火)13時~、11/13(月)17時~
「暗黒街の復讐」I walk alone
(1948/米/B&W/97分)
監督:バイロン・ハスキン
製作:ハル・B・ウォリス
原作戯曲:セオドア・リーヴス
脚本:ジョン・ブライト チャールズ・シュニー ロバート・スミス
撮影:レオ・トーヴァー
音楽:ヴィクター・ヤング
出演:バート・ランカスター リザベス・スコット カーク・ダグラス ウェンデル・コーリイ クリスティン・ミラー ジョルジュ・リゴー マーク・ローレンス
☆フランキー・マディソンは4年の刑期を終えて出所しニューヨークに戻ってきた。酒の密売をやっていた頃の元相棒ノル・ターナーは、今ではリッチなナイトクラブのマネージャーになっていた。フランキーは、自分だけが捕まりノルが逃げおおせた時に口頭で約束した、フィフティ・フィフティの密売の取り分を払ってもらうつもりだった。しかし、ノルはフランキーに分け前を支払うつもりは全くなかった。ほぼ同じキャリアでスタートし’50年代には『OK牧場の決斗』などの話題作で共演したランカスター=ダグラスが初めて共演した、’30年代を舞台にした暗黒街映画の佳作。
上映日:11/7(火)15時~、11/17(金)17時~
「暗黒街」Underworld
(1927/米/B&W/サイレント/86分)
監督:ジョセフ・フォン・スタンバ―グ
脚本:ベン・ヘクト
撮影:バート・グレノン
出演:ジョージ・バンクロフト イヴリン・ブレント クライヴ・ブルック
☆ギャング映画のはしりとなった作品であるが、人物像に焦点を当てているため、むしろ情緒的な側面が際立っている。また、光と影を巧みに操って、酒場や底辺にうごめく人々の生活、暗黒街の雰囲気が見事に描かれているのも見どころか。ベン・ヘクトが第1回アカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞した。
上映日:11/9(木)15時~、11/16(木)13時~
「犯罪王デリンジャー」Dillinger
(1945/米/B&W/70分)
監督:マックス・ノセック
脚本:フィリップ・ヨーダン
撮影:ジャクソン・ローズ
音楽:ディミトリ・ティオムキン
出演:ローレンス・ティアニー エドマンド・ロウ アン・ジェフリーズ エドュアルド・シャネリ マーク・ローレンス エリシャ・クック・Jr エルザ・ジャンセン
☆雑貨屋で強盗を働いたことを手始めに”民衆の敵NO.1”と称されるギャングにまで上り詰めた後、FBIに倒されるまでを描いたギャング映画。ハデなシーンも用意されているが、むしろ青年期から生涯を終えるまでの彼の一生を追った点で、ユニークな作品と言えよう。アカデミー賞脚本賞にノミネートされるが受賞は逸した。
上映日:11/10(金)17時~、11/15(水)15時~
「犯罪王リコ」Little Caesar
(1930/米/B&W/79分)
監督:マーヴィン・ルロイ
原作:ウィリアム・R・バーネット
脚本:フランシス・エドワード・ファラゴー
脚色:ロバート・N・リー
撮影:トニー・ゴーディオ
出演:エドワード・G・ロビンソン ダグラス・フェアバンクス・Jr グレンダ・ファレル スタンリー・フィールズ シドニー・ブラックマー ラルフ・インス ジョージ・E・ストーン
☆アル・カポネと思われるギャングの親分の自伝的映画で、ギャング映画流行のはしりとなった。禁酒法時代に酒の密売で巨利を得るために競争相手を暴力でなぎ倒し、暗黒街に君臨するが、最後は仲間に裏切られ機関銃を浴びて命を落とす。
上映日:11/9(木)17時~、11/15(水)11時~
「明日に別れの接吻を」Kiss Tomorrow Goodbye
(1950/米/B&W/102分)
監督:ゴードン・ダグラス
製作:ウィリアム・キャグニー
原作:ホレイス・マッコイ
脚本:ハリー・ブラウン
撮影:ペヴァレル・マーレイ
音楽:カーメン・ドラゴン
出演:ジェームズ・キャグニー バーバラ・ペイトン ウォード・ボンド ルーサー・アドラー ネヴィル・ブランド
☆脱獄を図った凶悪犯が、足手まといだからと仲間を殺しながら、彼の妹を頼って悪事を重ね、最期はその妹に復讐されるというギャング映画。悪徳警官を引きずり込んで、腐敗した警察に触れている点が興味深い。ホレス・マッコイの同名小説の映画化作品で、キャグニーの弟、ウィリアム・キャグニーが製作した。
上映日:11/10(金)15時~、11/14(火)17時~
「デッド・エンド」Dead End
(1937/米/B&W/92分)
監督:ウィリアム・ワイラー
製作:サミュエル・ゴールドウィン
原作:シドニー・キングスレー
脚本:リリアン・ヘルマン
撮影:グレッグ・トーランド
音楽:アルフレッド・ニューマン
出演:ジョエル・マクリー ハンフリー・ボガート シルヴィア・シドニー ウェンディ・バリー クレア・トレヴァー アレン・ジェンキンス マージョリー・メイン ウォード・ボンド
☆ニューヨークのイーストリバー周辺の貧民街で暮らす姉と弟、それに姉の恋人が、かつてこの町に住んでいたが今は追われる身であるギャングと対決する物語。ギャングをアンチ・ヒーローとして明確に打ち出し、人間ドラマに仕上げた。
上映日:11/7(火)17時~、11/16(木)15時~
「民衆の敵」Public Enemy
(1931年/米/B&W/80分)
監督:ウィリアム・A・ウェルマン
原作:キューベック・グラスマン ジョン・ブライト
脚本:ハーヴェイ・シュウ
撮影:デイヴ・ジェニングス
出演:ジェームズ・キャグニー エドワーズ・ウッズ ジーン・ハーロウ ジョーン・ブロンデル ベリル・マーサー ドナルド・クック ロバート・エメット・オコナー
☆幼い頃から貧民街で育ち悪事を働いていた2人の男が、次第に暗黒街でのしあがって行くが、利権をめぐる抗争の果てに短い生涯を終えるまで。ギャングの社会的背景が生き生きと描かれ、キャグニーの将来の方向を決める作品となった。
上映日:11/10(金)13時~、11/15(水)12時30分~
「Gメン」"G" Men
(1935/米/B&W/85分)
監督:ウィリアム・キーリー
原作:グレゴリー・ロジャース
脚本:シートン・I・ミラー
撮影:ソル・ポリト
音楽:レオ・F・フォーブステイン
出演:ジェームズ・キャグニー アン・ドヴォラック マーガレット・リンゼイ ロバート・アームストロング バートン・マクレーン ロイド・ノーラン ウォード・ボンド
☆暗黒街の親分マッケイに可愛がられて一度は弁護士になったブリックだが、昔の仲間に誘われてFBIの捜査官になる。一方、引退した親分に代わり後継者になった男が妻を殺したことでGメンたちが出動することに。Gメン映画のはしりとなった記念碑的なギャング映画。
上映日:11/8(水)13時~、11/14(火)15時~
「情無用の街」The Street with No Name
(1948/米/B&W/91分)
監督:ウィリアム・キーリー
製作:サミュエル・G・エンゲル
脚本:ハリー・クライナー
撮影:ジョー・マクドナルド
編集:ウィリアム・レイノルズ
音楽:ライオネル・ニューマン
出演:マーク・スティーヴンス リチャード・ウィドマーク ロイド・ノーラン ジョン・マッキンタイア バーバラ・ローレンス エド・ベグリー
☆続発する殺人事件に同じ銃が使われたことを手がかりにFBIが捜査を始めるという、当時の事件を映画化したセミ・ドキュメンタリー。FBIの捜査の仕組みをわかりやすく説明する等、従来にない趣向をこらしている。ウィドマークの冷血なギャングも見所のひとつ。
上映日:11/8(水)15時~、11/16(木)17時~
「死の接吻」Death of Kiss
(1947/米/B&W/98分)
監督:ヘンリー・ハサウェイ
原作:エリーザー・リプスキー
脚本:ベン・ヘクト チャールズ・レデラー
撮影:ノーバート・ブロダイン
音楽:デヴィッド・バトルフ
出演:ヴィクター・マチュア ブライアン・ドンレヴィ コリーン・グレイ リチャード・ウィドマーク カール・マルデン テイラー・ホームズ ミルドレッド・ダンノック
☆組織にうらみを持つ前科者が密告者として警察に協力するのだが、彼の前に冷酷なギャングが立ちふさがる。殺し屋、ウィドマークの名を一躍世に知らしめた鮮烈な彼のデヴュー作。薄笑いを浮かべながら老婆を階段から突き落とすシーンが公開当時話題になった。
上映日:11/8(水)17時~、11/13(月)15時~
「拳銃魔」Gun Crazy
(1950/米/B&W/87分)
監督:ジョセフ・H・ルイス
原作:マッキンレー・カンター
脚本:マッキンレー・カンター ミラード・カウフマン
撮影:ラッセル・ハーラン
音楽:ヴィクター・ヤング
出演:ジョン・ドール ペギー・カミンズ ベリー・クルーガー モリス・カルノフスキー アナベル・ショウ ハリー・ルイス ネドリック・ヤング ラスティ・タンブリン
☆殺生が嫌いなくせに銃器に異常な愛着を抱く男が、見世物で射撃の腕を披露したことから一座のスターと恋に落ちる。彼が女にそそのかされて強盗を重ね、身を滅ぼすまで。実話を基にした短編小説の映画化で、着想のユニークさが光るギャング映画の佳作。
上映日:11/9(木)13時~、11/16(木)11時~
「暗黒街の顔役」Scarface
(1932/米/B&W/93分)
監督:ハワード・ホークス
原作:アーミテージ・トレイル
脚本:ベン・ヘクト
出演:ポール・ムニ アン・ドヴォラック ジョージ・ラフト ボリス・カーロフ カレン・モーリイ ヴィンス・バーネット
☆アル・カポネと思われるギャングの破滅を描いており、トーキー初期のギャング映画の代表作。警官隊との攻防のすさまじさは映画史に残るほどの迫力を見せている。一方、暗黒街の風俗も随所に取り入れ、実際にギャング出身であるジョージ・ラフトがコインをもてあそぶシーンは公開当時、大いに話題になった。
上映日:11/8(水)11時~、11/17(金)13時~
「ガラスの鍵」The Glass Key
(1942/米/B&W/86分)
監督:スチュアート・ヘイスラー
原作:ダシール・ハメット
脚本:ジョナサン・ラティマー
撮影:セオドア・スパークル
音楽:ヴィクター・ヤング
出演:アラン・ラッド ヴェロニカ・レイク ブライアン・ドンレヴィ ボニータ・グランヴィル リチャード・デニング ジョセフ・カレイア ウィリアム・ベンディックス
☆ならず者ではあるが地域の実力者ポールが殺人事件に巻き込まれた。しかし無実を信じた彼の片腕のエドが事件の真相を探ろうと動き始める。冒頭でいきなりポールに平手打ちをくわせる彼の好きな女、ギャングに執拗に痛めつけられるエド、ストーリーの意外な展開をはじめ、見所たっぷりのフィルム・ノアール作品。
上映日:11/9(木)11時~、11/17(金)15時~
入場料:1100円均一(当日券のみ)
※2本連続鑑賞2100円 3本連続鑑賞3100円 4本連続鑑賞4000円
欧米クラシック・シリーズ⑪
ギャング映画特集
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