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欧米クラシック・シリーズ​第17弾は、当館支配人も心酔するドイツ出身の巨匠、ロバート・シオドマク監督の代表作12本をお楽しみいただきます。

弟の脚本家、カート・シオドマクと組んだドイツ時代のサイレント映画『日曜日の人々』、アメリカ亡命前にフランスで撮った『罠』、そしてハリウッドでの地位を築いた『らせん階段』、『殺人者』など、珠玉の作品群は今観ても色褪せる事がありません。

​日本ではビリー・ワイルダーなどの影に隠れて過小評価されているシオドマクの真価をこの機会にぜひその目でお確かめください!

例によって複数本割もございますので、ぜひご利用下さい!!

上映期間 3月5日(月)~16日(金

 

上映作品(全作品DVD上映)

『日曜日の人々』Menschen  Am Sonntag

(1930年 独 モノクロ サイレント 98分)

監督:ロバート・シオドマク  エドガー・G・ウルマー 

脚本:カート・シオドマク 

撮影:オイゲン・シュフタン 

出演:ブリギッテ・ボルヒャルト  ヴォルフガンク・フォン・ヴァルタースハウゼン

★舞台は世界恐慌が起きる寸前のベルリン。タクシー運転手とモデルの妻。レコード屋の店員、ワインの行商人、そして映画のエキストラ。5人の主人公たちの、ある日曜日の姿をドキュメンタリー・タッチで描いたドラマ。活気に満ちたベルリンの街とそこに生きる人々の息づかいが生々しく伝わってくる。俳優が素人のため撮影が週末しか出来ず、製作に5ヶ月かかったが’30年2月ベルリンで公開されるや大ヒット。ゴダールが”偉大なキャメラマン”と絶賛したオイゲン・シュフタンの撮影は後のヌーヴェルバーグの映像を彷彿とさせる。ロバート・シオドマクとの共同で作られたこの作品について、ウルマーは後年インタビューで”ロシアのジガ・ヴェルトフ監督の『カメラを持った男』(’29)に触発されて製作した” 語っている。

上映日:3/8(木)17時~、3/12(月)19時~

『罠』Pieges

 (1939年 仏 モノクロ 111分)

監督:ロバート・シオドマク 

脚本:ジャック・コンパネーズ エルンスト・ノイバッハ シモン・ガンティロン 

撮影:ミシェル・ケルベ 

音楽:ミシェル・ミシェレット 

出演:モーリス・シュヴァリエ ピエール・ルノワール マリー・デア エリッヒ・フォン・シュトロハイム ジャン・テメルソン アンドレ・ブリュノ ジャック・ヴァレーヌ マディ・ベリー

★パリで若い娘が11人も行方不明になり、警察は最後の被害者の友人でもあるアドリアンヌを捜査の協力者として依頼する。行方不明の被害者に共通する唯一のつながりと思われるのは皆、新聞広告に返事を出していた事だった。アドリアンヌは自分でも広告に返事を出して何人かの疑わしい人物に会うのだが、全員が潔白だと判明。その頃、彼女はキャバレーの経営者、ロベール・フルーリーと出会い一気に恋に落ち、結婚する。だが、彼が行方不明の女性たちを殺した証拠を発見した事から事態は急展開して行く。ナチス支配下のドイツからフランスに亡命したシオドマクが’40年に勃発するフランス占領前に製作したノワールの傑作。作品には、フリッツ・ラングの『M』の影響が随所に見られる。尚、本作はダグラス・サークの『誘拐魔』(’47)のリメイク作品でもある。

上映日:3/16(金)17時~

『クリスマスの休暇』Chritmas Holiday

(1944年 米 モノクロ 92分)

監督:ロバート・シオドマク 

製作:フェリックス・ジャクソン 

原作:サマセット・モーム 

脚本:ハーマン・J・マンキウィッツ 

撮影:ウディ・ブレデル 

編集:テッド・J・ケント 

音楽:ハンス・J・サルター 

出演:ディアナ・ダービン  ジーン・ケリー  ゲイル・ソンダーガード  グラディス・ジョージ  リチャード・ウォーフ

★メイソン少尉は私用でサンフランシスコに向かう途中、悪天候のため飛行機はニュー・オリンズに不時着した。彼は郊外の酒場で黒いドレスの歌手ジャッキーと知り合う。メイソンはクリスマスのミサに彼女を伴って行くがそこで彼女は自分の本名はアビゲイル・マーティンといい、夫ロバートは殺人罪で終身刑に服しているという。彼の母親は息子を破滅させたのはアビゲイルだといって責めた。ロバートの入所後、彼女は本名を変え酒場歌手で働きに出た。この昔話をした後アビゲイルは少尉に別れを告げ酒場に戻るが、そこには刑務所を脱獄したロバートが待ち構えていた。『幻の女』(’44)で一躍注目されたシオドマクがモームの原作を映画化した異色のフィルム・ノワール。

上映日:3/9(金)15時~、3/15(木)17時~

『容疑者』 The Suspect

(1945年 米 モノクロ 85分)

監督:ロバート・シオドマク 

製作:アイズリン・オースター 

原作:ジェームズ・ロナルド 

脚本:バートラム・ミルハウザー 

撮影:ポール・アイヴァノ 

音楽:フランク・スキナー 

出演:チャールズ・ロートン  エラ・レインズ  ディーン・ハーネス  モリー・ラモント  ヘンリー・ダニエル

★1902年のロンドン。煙草商のフィリップは誰に対しても親切で善良な男だったが、意地の悪い妻コーラとの結婚生活は破綻していた。ある日、職探しで訪ねて来た孤独な女メリーに職を紹介した事から、その後、度々、彼女と会うようになる。フィリップはコーラに離婚を迫るが高笑いされ、軽くあしらわれてしまう。頭に来たフィリップは事故死に見せかけ、コーラを階段から突き落として殺害する。ロンドン警視庁のハクスレー刑事は他殺と睨みフィリップを追求するが、証拠が挙げられず一旦は引き下がる。フィリップはメリーに自分が殺人の嫌疑がかけられている事を打ち開けるが、彼女は結婚を望んでいた。’40年に渡米後、多くのフィルム・ノワールを手がけたシオドマクがコスモポリタン誌に掲載されたジェームズ・ロナルドの小説を映画化した佳作。イギリス出身の名優チャールス・ロートンが主人公フイリップを好演。

上映日:3/7(水)17時~、3/12(月)15時~

『幻の女』Phantom Lady

(1944年 米 モノクロ 87分)

監督:ロバート・シオドマク

共同製作:ジョーン・ハリソン

原作:ウィリアム・アイリッシュ

脚本:バーナード・C・ショーンフェルド

撮影:ウディ・ブレデル

音楽:ハンス・J・サルター

出演:エラ・レインズ フランチョット・トーン アラン・カーティス トーマス・ゴメス エリシャ・クック・Jr

★ウィリアム・アイリッシュの同名小説のの映画化。妻と喧嘩をして家を出た男が行きずりの女とバーで知り合い、ショーを見て帰宅すると妻が死んでいた。その女といたことが証明されればアリバイが成立するのだが、目撃者が現れないことで窮地に。時間の流れと共に緊迫間が高まるサスペンス映画の秀作。

上映日:3/10(土)13時~、3/15(木)19時~

『らせん階段』The Spiral Staircase

(1945年 米 モノクロ 83分)

監督:ロバート・シオドマク

製作:ドア・シャリー

原作:エセル・リナ・ホワイト

脚本:メル・ディネリ

撮影:ニコラス・ムスラカ

音楽:ロイ・ウェッブ

出演:エセル・バリモア ジョージ・ブレント ロンダ・フレミング エルザ・ランチェスター

★一風変わった一家が住む屋敷に、子供の頃に受けたショックが原因で口のきけぬ女がメイドとして雇われる。近隣では続けて若い女が殺されていた。激しい嵐の夜に忍び寄る殺人鬼の影に怯える女。そんな緊張感を光と影を巧みに操って描いたスリラー映画の傑作。

上映日:3/10(土)11時~、3/16(金)19時~

『ハリーおじさんの悪夢』The Strange Affair of Uncle Harry

(1945年 米 モノクロ 80分)

監督:ロバート・シオドマク 

製作:ジョーン・ハリソン 

原作戯曲:トーマス・ジョブ 

脚本:キース・ウィンター  スティーヴン・ロングストリート 

撮影:ポール・アイヴァノ 

編集:アーサー・ヒルトン 

出演:ジョージ・サンダース  ジェラルディン・フィッツジェラルド  エラ・レインズ  サラ・オールグッド  サミュエル・S・ハインズ  ハリー・フォン・ゼル

★ニュー・ハンプシャーの小さな街に住む落ちぶれた、旧家の誰からも好かれる”ハリー叔父さん”は二人の姉と暮らしている。ある日ニューヨークからハリーの知り合いのデザイナー、ボボラが来たことから状況が一変する。二人が恋に落ちると、姉の一人レティは二人の仲を裂こうと病気を装う。レティに騙されていたと気づいたハリーは、レティに殺意を持ち始め彼女を毒殺しようとするが、死んだのは上の姉へスターだった。しかし、レティが誤って逮捕されてしまう。レティはハリーに一生罪悪感を抱かせるため、罪を受け入れる。『レベッカ』『海外特派員』などヒッチコック作品のシナリオ・ライターとして名高い女性ジョーン・ハリソンが『幻の女』に続いてプロデューサーとしてシオドマクと組んだフイルム・ノワールの佳作。

 上映日:3/5(月)17時~、3/14(水)19時~

『暗い鏡』The Dark Mirror

(1946年 米 モノクロ 85分)

監督:ロバート・シオドマク 

製作:ナナリー・ジョンソン 

原作:ウラジミール・ポズナー 

脚本:ナナリー・ジョンソン 

撮影:ミルトン・クラスナー 

音楽:ディミトリ・ティオムキン 

出演:リュー・エアーズ  トーマス・ミッチェル  オリヴィア・デ・ハヴィランド  リチャード・ロング

★ある医者が背中をナイフで刺されて、殺害されているのを発見される。殺人現場の目撃者は何人もいた。犯人と目されたのは医者と同じビルの雑誌売り場で働いているルース・コリンズだった。警察はルースを殺害容疑者として告発しようとするが、一旦断念する。ルースには瓜二つの双生児姉妹テリーがいたからだ。二人とも容疑を否認し黙秘を続けるため決め手を欠いた当局は、精神科医のエリオットに姉妹の犯罪心理の分析を依頼する。そこから姉妹の一人を犯人と特定しようとするのだが。『幻の女』など多くのフイルム・ノワールで知られるシオドマクのニューロテイック・スリラーで、『イヴの総て』などの名手ミルトン・クラスナーの圧巻のトリック撮影は見応え十分。『女相続人』などの名女優ハヴィランドが姉妹を好演している。

上映日:3/7(水)15時~、3/12(月)17時~

『殺人者』The Killers

(1946年 米 モノクロ 105分)

監督:ロバート・シオドマク

製作:マーク・ヘリンジャー

原作:アーネスト・ヘミングウェイ

脚本:アンソニー・ヴェイラー

撮影:ウディ・ブレデル

音楽:ミクロス・ローザ

出演:バート・ランカスター エヴァ・ガードナー アルバート・デッカー エドモンド・オブライエン

★若者が2人連れの殺し屋に殺害され、保険会社の調査員が残された手掛かりを元に回想シーンを交えながら事件を解決していく。監督賞ほか4部門でアカデミー賞候補となるが受賞は逸した。ランカスター、ガードナーの出世作。

上映日:3/11(日)11時~、3/15(木)15時~

『都会の叫び』 Cry Of The City

(1948年 米 モノクロ 95分)

監督:ロバート・シオドマク

製作:ソル・C・シーゲル

原作:ヘンリー・エドワード・ヘルセス

脚本:リチャード・マーフィ

撮影:ロイド・エイハーン

音楽:アルフレッド・ニューマン

出演:リチャード・コンテ ヴィクター・マチュア シェリー・ウィンタース フレッド・クラーク

★警官と撃ち合って病院に収容されたギャングが、看護婦に恋人を匿わせる。移送された刑務所から自らも逃げ出すと、別の罪をまでなすりつけようとした悪徳弁護士を射殺するのだった。しかし、旧友である警部の手も迫っていた・・・・。敵対しながらも同じ環境で育ったギャングと警部の、断ち切れない精神的な絆がやるせなく観る者に迫る佳作。

上映日:3/8(木)15時~、3/16(金)15時~

『裏切りの街角』 Criss Cross

(1949年 米 モノクロ 88分)

監督:ロバート・シオドマク

製作:ミシェル・クライク

原作:ドン・トレイシー

脚本:ダニエル・フックス

撮影:フランク・プラナー

音楽:ミクロス・ローザ

出演:バート・ランカスター イヴォンヌ・デ・カーロ ダン・デュリエ トニー・カーティス

★スティーヴは久しぶりに故郷のロサンゼルスに帰ってくる。彼は別れた妻アナが忘れられず以前二人でよく過ごしたナイトクラブに入り浸るうち偶然アナと再会する。スティーヴの家族や幼なじみの警部ラミレスたちは、派手好きなアナはギャングと繫がりのあるヤクザのスリムの情婦だと伝えて二人を引き離そうとする。地元の現金輸送会社の護衛係として働き始めたスティーヴとアンは密会を重ねる。ある日、スリムにその現場を見つかった事から、とっさにその場をごまかそうと現金輸送車襲撃の計画を提案する。クライマックスの煙に包まれた現金輸送車襲撃シーン他、全編サスペンスに溢れたこの傑作は、スティーヴン・ソダバーグがリメイクしたり『蒼い記憶』(96)や、『ゴダールの映画史』に引用されたりしている。ファム・ファタールとの出会いが破滅の人生に変貌していく主人公スティーヴをランカスターが好演。

上映日:3/9(金)17時~、3/14(水)15時~

『情事の代償』The File on Thelma Jordan

(1950年 米 モノクロ 100分)

監督:ロバート・シオドマク 

製作:ハル・B・ウォリス 

原案:マーティ・ホランド 

脚本:ケティ・フリングス 

撮影:ジョージ・バーンズ 

特殊効果:ゴードン・ジェニングス 

音楽:ヴィクター・ヤング 

出演:バーバラ・スタンウィック  ウェンデル・コーリイ  ジョーン・テッツェル  スタンリー・リッジス  リチャード・ローバー  ポール・ケリー 

★有力者の娘と結婚して何不自由ない家庭を持っている筈の地方検事クリーヴを、テルマ・ジョーダンという女が訪ねてくる。テルマは、裕福な叔母の家で強盗未遂事件が起きたと告げに来たのだ。やがてクリーヴは密かにテルマと付き合うようになるが、テルマは自分にはトニーという前夫の男がいるという。叔母が殺されたという知らせを受けたクリーヴは現場に行き、テルマが疑われないように画策するが執事に見られたことから物語は予期しない展開となっていく。『マルタの鷹』『カサブランカ』などの名プロデユーサー、ハル・B・ウォリス製作の良質の犯罪ドラマ。

 上映日:3/5(月)15時~、3/14(水)17時~

入場料:1100円均一(当日券のみ)

※2本連続鑑賞2100円 3本連続鑑賞3100円 

欧米クラシック・シリーズ⑰

ロバート・シオドマク監督特集

 

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