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欧米クラシック・シリーズ​​第21弾は、ロバート・シオドマク監督に続き、戦前欧州で活躍し、その後ヒットラーの迫害を恐れてハリウッドに渡ったもう一人の監督、ダグラス・サークを特集します。

シオドマクがノワール調の作品を得意にしていたのとは対照的に、メロドラマやコメディといったジャンルで腕の冴えを見せ、存命中よりも後年その実力が見直された映画作家です。

今回の特集ではドイツ時代の作品3本と、戦中戦後にハリウッドで撮った11本、計14本を一挙上映します。

この機会にぜひ、サーク監督による傑作の数々をお楽み下さい。

例によって複数本割もございますので、ご利用下さい!!

ダグラス・サーク Douglas Sirk<本名:Hans Detlef Sierck(ハンス・デトレフ・ジールク)>

1897年、ハンブルク出身。

デンマーク人の両親の元、ドイツとデンマークで育つ。

舞台監督を務めたのち、1934年に映画界入り。

しかし、妻がユダヤ人だったため、ナチスの弾圧を逃れ、1937年にドイツを離れアメリカへ亡命。

1942年にハリウッドで反ナチ映画『ヒットラーの狂人』を監督した後、50年代はユニバーサルでメロドラマやコメディの秀作を次々と発表。

1970年代にドイツに戻り、1987年にスイスで没した。

上映期間 6月3日(日)~15日(金)

上映作品(全作品DVD上映)

『世界の涯てに』ZU NEUEN UFERN(1936年 独 モノクロ 103分)

監督: デトレフ・ジールク(ダグラス・サーク) 

原作: ロヴィス・J・ロレンツ 

脚本: クルト・ホイザー 

撮影: フランツ・ワイマール 

音楽: ラルフ・ベナッキー 

出演: ツァラー・レアンダー  ヴィリ・ビルゲル  フィクター・シュタール

☆ヴィクトリア朝のロンドン。ミュージック・ホールの人気歌手グローリアは、社交界の人気者で放縦な貴族フインスベリー大尉を愛している。やがてフインスベリーは小切手偽造事件を起こし、グローリアがその罪をかぶり、7年の刑でオーストラリアの刑務所に服役することになる・・・。スウェーデン出身の女優レアンダーの独ウーフア、デビュー作で(次作は『南の誘惑』)、メロドラマとしての様式美が全編に冴えわたるサークの初期代表作。

​上映日:6月6日(水)15時~、11日(月)17時~

 

『思ひ出の曲』DAS HOFKONZERT(1936年 独 モノクロ 85分)

監督・脚本: デトレフ・ジールク(ダグラス・サーク) 

撮影: フランツ・ワイマール  

出演: マルタ・エゲルト  アルフレート・アーベル  ヨハンネス・ヘースタース  クルト・マイゼル  ハーバート・ヒュープナー

☆1840年代のドイツのある宮廷を舞台にした音楽ロマンス。歌手のクリスティーヌは未だ見ぬ父を探しにある小候国にやってくる。彼女はそこで大臣の令息アルネック少尉と知り合い恋仲になる。やがて、クリステーヌはこの国の重要人物が亡き母の恋人だったと知り、アルネックの父が自分の父だと、思い込むようになる・・・。サークはこの作品について『ウイーン風の砂糖菓子』と評している。

上映日:6月3日(日)13時~、11日(月)19時~

 

『南の誘惑』LA HABANELLA(1937年 独 モノクロ 96分)

監督: デトレフ・ジールク(ダグラス・サーク) 

製作: ブルーノ・ドゥーダイ 

脚本: ゲルハルト・メンツェル 

撮影: フランツ・バイマン 

音楽: ロタール・ブリューネ 

出演: ツァラー・レアンダー  フェルディナンド・マリアン  カール・マルテル

☆スウェーデン娘アストリーは、伯母に連れられキューバの西にあるプエルトリコに旅をした。地元の豪族ペドロと恋に落ちた彼女は伯母をやり過ごして彼と結婚した。歳月はたち、一人息子も成長したが、ペドロはアストリーを奴隷のように扱い、二人の心は離れていった・・・。「ラ・ハバネラ(原題)」の主題歌でよく知られ、日本でも戦前に公開されたこの作品は,近年再評価されてるサーク、ドイツ時代最後の作品。不幸な結婚に苦悩するツアラレアンダーの美しくもせつないは姿は、多くの涙を誘った。

上映日:6月3日(日)11時~、13日(水)15時~

 

『ヒットラーの狂人』HITLER'S MADMAN(1943年 米 モノクロ 84分)

監督: ダグラス・サーク 

製作: シーモア・ネベンザル 

原作: バート・リットン 

脚本: ペレッツ・ヒルシュバイン  メルビン・リーヴィ  ドリス・マロイ 

撮影: ジャック・グリーンハル 

音楽: カール・ハヨス 

出演: パトリシア・モリソン  ジョン・キャラダイン  アラン・カーティス  ハワード・フリーマン  ラルフ・モーガン  エドガー・ケネディ  ルドウィッグ・ストッセル  アル・シーン

☆1942年、ドイツ軍占領下のチェコスロバキアのリディツェ村に連合運は、一人のチェコ人レジスタンスを秘密裡に送り込んだ。彼はプラハで元恋人や昔なじ みの人たちと再会する。しかし”金髪の野獣”と恐れられた占領軍司令官ラインハルト・ハイドリヒが何者かに暗殺される事件が勃発する。そして事態が一変、 ゲシュタボ本部のヒムラー長官は激怒しリディツェ村の破壊を命令した。村の男たちは殺され、女たちは強制収容所におくられた。ダグラス・サークのアメリカ亡命後最初の長編。この作品は、同年、数ヶ月前に作られたラングの傑作『死刑執行人もまた死す』と奇しくも同じテーマの戦争レジスタンス映画だったことで話題を呼んだ。

上映日:6月7日(木)19時~、11日(月)15時~

 

『夏の嵐』SUMMER STORM(1944年 米 モノクロ 106分)

監督: ダグラス・サーク 

製作: シーモア・ネベンザル 

原作: アントン・チェーホフ 

脚本: ローランド・リー  ダグラス・サーク  ロバート・ソーレン 

撮影: ユージン・シュフタン  ルイス・クライド・ストウマン 

音楽: カール・ハヨス  

出演: ジョージ・サンダース  リンダ・ダーネル  エドワード・エヴェレット・ホートン  シグ・ルーマン  アンナ・リー  サラ・パッデン  フランク・オース

☆革命直後のロシア、とある出版社にヴォルスキー伯爵と名のる男が現れ、友人であるフョードル・ペトロフ判事の手記の出版を持ちかける。そこには一人の女性の死をめぐる真相が書き記されていた。チェーホフによる長篇小説『狩場の悲劇』の映画化。ドイツ時代から映画化を夢見ていたダグラス・サークが、アメリカ亡命後、反ナチス映画『ヒトラーの狂人』に続いて監督した、ミステリー・タッチのメロドラマ。サスペンス豊かなサークの演出によって、ジョージ・サンダースの哀愁漂う存在感と、『荒野の決闘』などで知られるリンダ・ダーネルの美貌がひときわ輝く。

上映日:6月4日(月)19時~、13日(水)17時~

 

『パリのスキャンダル』A SCANDAL IN PARIS THIEVES' HOLIDAY(1946年 米 モノクロ 100分)

監督: ダグラス・サーク 

原作: ユージン・フランソワ・ヴィドック 

脚本: エリス・セント・ジョセフ 

撮影: ガイ・ロー 

音楽: ハンス・アイスラー 

出演: ジョージ・サンダース  シグニ・ハッソ  キャロル・ランディス  エイキム・タミロフ  ジーン・ロックハート  アルマ・クルーガー  アラン・ネイピア  ウラジミール・ソコロフ

☆ドイツから亡命してハリウッドに渡ったダグラス・サークが『ヒットラーの狂人』、『夏の嵐』につづいて撮ったアメリカでの第三作目。1805年7月23日の誕生日、ヴィドックはある小さな町の刑務所の中にいる。彼は『カサノヴァの冒険』を読みかけている。同じ房には囚人エミル・ヴェルネがいる。看守の娘ジャネットがこっそり誕生日のお祝いに来る。彼女はエミルのパリの叔母エルネスティーヌからケーキをエミルに渡す。エミルの叔父ユーゴーはオルレアン公邸に強盗に入り、15年刑務所に入っていた・・・。

上映日:6月8日(金)19時~、13日(水)19時~

 

『誘拐魔』LURED(1947年 米 モノクロ 102分)

監督: ダグラス・サーク 

製作: ジェームズ・ナッサー 

製作総指揮: ハント・ストロンバーグ 

共同製作: ヘンリー・ケスラー 

原案: ジャック・コンパネーズ  エルンスト・ノイバッハ  シモン・ガンティロン 

脚本: レオ・ロステン 

撮影: ウィリアム・H・ダニエルズ 

音楽: ミシェル・ミシェレット  

出演: ジョージ・サンダース  ルシル・ボール  チャールズ・コバーン  ボリス・カーロフ  セドリック・ハードウィック  ジョセフ・カレイア  アラン・モーブレイ  ジョージ・ザッコ

☆20世紀初頭のロンドン。若い女性の失踪事件が相次ぎ、友人が行方不明になったサンドラはロンドン警視庁特捜班のために、オトリになって犯人をおびき出すことに協力する。やがて彼女の前に次々と怪しい人物が姿をあらわしてくる。カーロフ、コバーンなどクセのある傍役たちの怪演が光る,傑作サスペンス。

上映日:6月8日(金)17時~、14日(木)15時~

 

『ちょっとフランス風』SLIGHTLY FRENCH(1948年 米 モノクロ 81分)

監督: ダグラス・サーク 

製作: アーヴィング・スター 

原案: ハーバート・フィールズ 

脚本: カレン・デ・ウルフ 

撮影: チャールズ・ロートン・Jr 

音楽: ジョージ・ダニング 

出演: ドロシー・ラムーア  ドン・アメチー  ジャニス・カーター  ウィラード・パーカー  アデル・ジャーゲンス

☆映画監督ゲイルは現場での横暴な態度がすぎて、解雇され,主演の女優も絶望して役を降りてしまう。この映画にはフランス人女優が必要だと感じたゲイルーはコニー・アイランドの祭りでメアリーを見つけ、彼女を密かにフランス人女優にに仕立て上げる。プロデユーサーも彼女を気に入り、ゲイルも監督に復帰して撮影が開始されるがメアリーがフランス語のアクセントを忘れて、フランス人でないことがばれてしまいゲイルはまたしてもクビになる・・・。サークのユーモア溢れるロマンテイック・コメディ。

上映日:6月4日(月)15時~、14日(木)17時~

 

『眠りの館』SLEEP, MY LOVE(1948年 米 モノクロ 97分)

監督: ダグラス・サーク 

製作: ラルフ・コーン  チャールズ・ロジャース 

原作: レオ・ロステン 

脚本: デクラ・ダニング  サイ・レイカー・エンドフィールド  レオ・ロステン 

撮影: ジョセフ・A・ヴァレンタイン 

音楽: ルディ・シュレイジャー  

出演: クローデット・コルベール  ロバート・カミングス  ドン・アメチー  ヘイゼル・ブルックス  リタ・ジョンソン  ジョージ・カラリス  レイモンド・バー

☆ニューヨークからボストンへ向かう蒸気機関車の中。眠りから覚めた女は、なぜ自分はここに居るのかわからないと叫ぶ。睡眠薬を飲ませて、催眠術で操って妻を殺そうとしている夫。疑いを持った妻の目をそらすために、睡眠薬入りのホットチョコレートを自ら夫が呑んでみせる・・・。メロドラマの大家サークが、明るいイメージのコルベール、いかにも善良男のアメチーを使って正統派フィルムノワールを見事に演出。

上映日:6月6日(水)19時~、15日(金)15時~

 

『ショックプルーフ』SHOCKPROOF(1949年 米 モノクロ 81分)

監督: ダグラス・サーク 

製作: ヘレン・ドイッチュ  S・シルヴァン・サイモン 

脚本: ヘレン・ドイッチュ  サミュエル・フラー 

撮影: チャールズ・ロートン・Jr 

編集: ジーン・ハヴリック 

音楽: ジョージ・ダニング  

出演: コーネル・ワイルド パトリシア・ナイト ジョン・バラグレイ エスター・ミンチオッティ ハワード・セント・ジョン ラッセル・コリンズ チャールズ・ベイツ

☆ジェニーは殺人の罪で服役していたが、仮釈放された。保護監察官のグリフが住まいと仕事を世話するが、昔の男ハリーと縁が切れない彼女は、再び悪の道へと進みそうな予感がしたグリフは彼女を自宅に連れていき、盲目の母の面倒を見る仕事を与える。それを知ったハリーは悪知恵を働かせて・・・。仮釈放中の美しい女囚と、その保護観察官を務める男性が、禁断の恋に落ちたうえ、やがて社会に背を向けて”愛の逃避行”に出る。善と悪の心理が危うく交錯する、フィルム・ノワールの傑作。

上映日:6月8日(金)15時~、13日(水)13時~

 

『丘の雷鳴』THUNDER ON THE HILL(1951年 米 モノクロ 84分)

監督: ダグラス・サーク 

製作: マイケル・クレイク 

原作戯曲: シャーロット・ヘイスティングズ 

脚本: オスカー・ソウル  アンドリュー・ソルト 

撮影: ウィリアム・H・ダニエルズ 

音楽: ハンス・J・サルター 

出演: クローデット・コルベール  アン・ブライス  ロバート・ダグラス  アン・クロフォード  フィリップ・フレンド  グラディス・クーパー  マイケル・ペイト

☆ノーフオーク郡が洪水に襲われ、住民が近くの尼僧院にに避難する。その中に自分の兄弟を殺した罪で死刑判決を受けたアン・ブライスもいる。シスター、ボナヴェンチュアは彼女に好意を寄せ、打ち解けて話すうちに彼女が無実であることを確信する・・・。サークは人間の極端な心理状況の中に独特のメロドラマ感覚を見いだしている。

上映日:6月7日(木)17時~、15日(金)17時~

 

『突然の花婿』NO ROOM FOR THE GROOM(1952年 米 モノクロ 82分)

監督: ダグラス・サーク 

製作: テッド・リッチモンド 

原作: ダーウィン・L・テイルヘット 

脚本: ジョセフ・ホフマン 

撮影: クリフォード・スタイン 

音楽: フランク・スキナー 

出演: トニー・カーティス  パイパー・ローリー  ドン・デフォー  スプリング・バイイントン  ポール・マクヴィ  スティーヴン・チェイス  リー・アーカー

☆キングスヘッドは秘密裏にラスヴェガスでGIのモレルと結婚する。朝鮮戦争から帰り、キングスヘッドの自宅を訪ねたモレルは、彼女が結婚したことを両親に話してないことを知る。母親は娘ををセメント王と結婚させようと決めていたので、二人の結婚は大騒動に・・・。サークの職人技が冴える愉快なコメデイ。

上映日:6月6日(水)17時~、14日(木)19時~

 

 

『ぼくの彼女はどこ?』HAS ANYBODY SEEN MY GAL?(1952年 米 カラー 89分)

監督: ダグラス・サーク 

製作: テッド・リッチモンド 

原案: エレナ・ホグマン・ポーター 

脚本: ジョセフ・ホフマン 

音楽: ヘンリー・マンシーニ  ハーマン・スタイン   

出演: パイパー・ローリー  ロック・ハドソン  チャールズ・コバーン  ジジ・ペルー  リン・バリ  ラリー・ゲイツ  ウィリアム・レイノルズ  スキップ・ホメイヤー  ポール・ハーヴェイ

☆身寄りのない年老いた大富豪のサミュエルフルトンは、死期が近い事を知り、以前結婚しようとした今は亡き女性の家族に全財産を相続させようとして、息子の家の部屋を借りる事にするのだがーー。哀愁ただようサークの人情コメデイ。『風と共に散る』などサーク作品に8本出演しているロック・ハドソン最初の出演作品で、サーク最初のカラー作品としても知られる。

上映日:6月4日(月)17時~、15日(金)19時~

 

『わたしの願い』ALL I DESIRE(1953年 米 カラー 79分)

監督: ダグラス・サーク   

製作: ロス・ハンター

脚本: ジェームズ・ガン ロバート・ブリース

撮影: カール・ガスリー

音楽: ヘンリー・マンシーニ ハーマン・スタイン

出演: バーバラ・スタンウィック  リチャード・カールソン ロリ・ネルソン モーリン・オサリヴァン 

女優になる夢を捨てきれずに夫と3人の子供をおいて,自分探しの旅に出ていたナオミが、数年ぶりに故郷ウイスコンシンの町に戻ってくる。娘のひとりが学校で出演する演劇を見るためだったのだが・・・。50年代初期のアメリカの小都市に生きる人々の生活、風習そして社会そのものが描かれたドラマ。自分の欲望に忠実に生きた女が、いつしか自己に対してではなく家庭に対して生きていく姿を名女優バーバラ・スタンウィックが強く冷たく演じ切る。

上映日:6月7日(木)15時~、15日(金)13時~

 

入場料:1100円均一(当日券のみ)

※2本連続鑑賞2100円 3本連続鑑賞3100円 ​

欧米クラシック・シリーズ㉑

ダグラス・サーク監督特集

 

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