欧米クラシック・シリーズ㊲
ベティ・デイヴィス特集
欧米クラシック・シリーズ第37弾は、トーキー初期から活躍し、オスカーも2度受賞、晩年も衰えた容姿を生かしてホラーやサスペンスなどのジャンルで存在感を示し続けていた大女優ベティ・デイヴィスの作品を10本セレクトしてお届けします。
今回はオスカー受賞作『黒蘭の女』など、その個性的な美貌と演技力が最も脂の乗った30~40年代の作品をお楽しみいただきます。
この機会にぜひ、大女優の足跡を辿ってみてください。
例によって複数本割もございますので、ぜひご利用下さい!!
ベティ・デイヴィス Bette Davis(1908/04/05~1989/10/06)
アメリカ/マサチューセッツ州ローウェル出身。ブロードウェイの舞台で成功した後ハリウッドに渡りサミュエル・ゴールドウィンのスクリーン・テストを受けるが落とされ、32年にワーナーと7年契約を結ぶ。しかし、しばらく芽が出ず、34年にRKOに貸し出されて出演した「痴人の愛」で認められる。その後は35年の「青春の抗議」、38年の「黒蘭の女」と2度のオスカーに輝いた。50年の「イヴの総て」以降は「何がジェーンに起ったか?」、「誰が私を殺したか?」、「ふるえて眠れ」、「妖婆の家」、「家」など、冷たい表情にも磨きが掛かり、正しく“怪演”と呼ぶ演技で復活。87年の「八月の鯨」で最後の華を咲かせてくれた。89年、ガンの為この世を去った。
上映期間 10月16日(水)~25日(金)
上映作品(全作品DVD上映)
『マルタの鷹』Satan met a lady(1936年/アメリカ/B&W/74分)
監督: ウィリアム・ディターレ
原作: ダシール・ハメット
脚本: ブラウン・ホームズ
撮影: アーサー・エディソン
出演: ベティ・デイヴィス ウォーレン・ウィリアム アリソン・スキップワース アーサー・トリーチャー マリー・ウィルソン ウィニ・ショウ ポーター・ホール
★ハードボイルド小説の古典『マルタの鷹』は3回映画化されているがこれは2度目の映画化作品(ハンフリー・ボガート主演作は3回目の映画化作品)。リメイク作品ということで製作会社のワーナーは、1931年作の『マルタの鷹』とは異なる内容の作品にしようと試み、前作の脚本家でもあるブラウン・ホームズに新たな脚本を依頼した。完成した脚本は『悪魔が淑女に出逢った』というタイトルから変えられ、原作では争奪戦になるマルタの鷹は8世紀の羊の角に、主人公の私立探偵サム・スペードはテッド・シェーンになっている。テッドに仕事を依頼する謎の女バレリーにはベティ・デイヴィスを起用する。前年『青春の講義』でオスカー女優賞に輝いたデイビィスは、脚本が気に入らず撮影はスタートから遅れる。完成した映画はあまり話題にはならなかったが、ディターレ監督の精錬された、スタイリッシュな演出は前作とは一味違う作品に仕上がっている。
上映日:10月17日(木)19時~
『札つき女』Marked woman (1937年/アメリカ/B&W/99分)
監督:ロイド・ベーコン
製作:ハル・B・ウォリス
脚本:アベム・フィンケル
撮影:ジョージ・バーンズ
音楽:デヴィッド・ラクシン
出演:ベティ・デイヴィス ハンフリー・ボガート ローラ・レイン イザベル・ジュウェル
★ギャングの親分が経営するナイトクラブで殺人事件が発生し、検事が解決に乗り出す。しかし、生活の場を失いたくないホステスは捜査に非協力的だった。実在のギャング、ラッキー・ルチアーノをモデルにした作品でり、検事ものちにニューヨーク州知事になったトーマス・デューイである。彼は実際にルチアーノの裁判に関わった。デイヴィスがヴェネチア国際映画祭で女優賞を受賞した。
上映日:10月16日(水)19時~、10月21日(月)17時~
『倒れるまで』Kid galahad (1937年/アメリカ/B&W/101分)
監督:マイケル・カーティス
原作:フランシス・ウォーレス
脚本:シートン・I・ミラー
撮影:ガエタノ・ゴーディオ
音楽:M・K・ジェローム ジャック・スコール マックス・スタイナー ヒューゴ・フリードホーファー
出演:エドワード・G・ロビンソン ベティ・デイヴィス ハンフリー・ボガート ウェイン・モリス ジェーン・ブライアン
★同業者と対立しながらも恋人のクラブ歌手と協力して、チャンピオンと対戦するまでにボクサーを育て上げたプロモーターが、八百長で大金を得ようとするのだが・・・・。ベティ・デイヴィスがベネチア国際映画祭で女優賞をス賞したほか、61年にE.プレスリーにより「恋のKOパンチ」として再映画化された。
上映日:10月16日(水)17時~、10月23日(水)17時~
『黒蘭の女』Jezebel(1938年/アメリカ/B&W/103分)
監督:ウィリアム・ワイラー
製作:ヘンリー・ブランク
原案:オーウェン・デイヴィス・Sr
脚本:クレメンス・リプレー アベム・フィンケル ジョン・ヒューストン ロバート・バックナー
撮影:アーネスト・ホーラー
音楽:マックス・スタイナー
出演:ベティ・デイヴィス ヘンリー・フォンダ ジョージ・ブレント ドナルド・クリスプ フェイ・ベインター
★自分を捨てて他の女と結婚した男に様々な手を使い復讐しようとしたため、稀代の毒婦として名高い”イゼベル”と呼ばれた女の、波乱万丈な人生を描いている。悪女役にすさまじい迫力を見せたデイヴィスがアカデミー賞主演女優賞を獲得したほか、フェイ・べインターが助演女優賞を受賞した。
上映日:10月18日(金)15時~
『愛の勝利』Dark victory (1939年/アメリカ/B&W/106分)
監督:エドマンド・グールディング
製作:ハル・B・ウォリス
脚本:ケイシー・ロビンソン
撮影:アーネスト・ホーラー
音楽:マックス・スタイナー レオ・F・フォーブステイン
出演:ベティ・デイヴィス ジョージ・ブレント ハンフリー・ボガート ロナルド・レーガン ジェラルディン・フィッツジェラルド
★不治の病に侵された娘ジュディスが、医師の献身的な行為から真実の愛に目覚めていくという感動的なドラマで、その年に最も女性を泣かせた映画として記録されている。ハンフリー・ボガートが娘に思いを寄せる調教師として出演し、アカデミー賞作品賞、主演女優賞、オリジナル作曲賞にノミネート。63年と76年にリメイクさた。
上映日:10月18日(金)19時~、10月24日(木)17時~
『月光の女』The letter(1940年/アメリカ/B&W/95分)
監督:ウィリアム・ワイラー
製作:ハル・B・ウォリス
原作:サマセット・モーム
脚本:ハワード・コッチ
撮影:トニー・ゴーディオ
音楽:マックス・スタイナー
出演:ベティ・デイヴィス ハーバート・マーシャル ジェームズ・スティーヴンソン フリーダ・イネスコート ゲイル・ソンダーガード エリザベス・アール
★サマセット・モームによる同名戯曲の映画化作品。マレーのゴム園でレズリーがハワードという男を拳銃で射殺するが、夫と弁護士の力で彼女は無罪となる。マレーを去って出直すよう説得する夫に対して、ハワードへの追慕を断ち切れないレズリーは・・・・。アカデミー賞作品賞ほか7部門でノミネートされた。
上映日:10月25日(金)17時~
『偽りの花園』The little foxes(1941年/アメリカ/B&W/116分)
監督:ウィリアム・ワイラー
製作:サミュエル・ゴールドウィン
原作・脚本:リリアン・ヘルマン
撮影:グレッグ・トーランド
音楽:メレディス・ウィルソン
出演:ベティ・デイヴィス テレサ・ライト ダン・デュリエ ハーバート・マーシャル チャールズ・ディングル カール・ベントン・リード リチャード・カールソン パトリシア・コリンジ
★リリアン・ヘルマンの舞台劇の映画化で、現在の富裕な生活に飽きたらない妻が、2人の兄弟と企んで資産家の夫から事業資金を引き出そうとする。アカデミー賞作品賞をはじめ9部門でノミネートされた名作。
上映日:10月17日(木)14時30分~、10月23日(水)14時30分~
『情熱の航路』Now,voyager (1942年/アメリカ/B&W/117分)
監督:アーヴィング・ラパー
製作:ハル・B・ウォリス
原作:オリーヴ・ヒギンズ・プローティ
脚本:ケイシー・ロビンソン
撮影:ソル・ポリト
音楽:マックス・スタイナー
出演:ベティ・デイヴィス ポール・ヘンリード クロード・レインズ グラディス・クーパー ボニータ・グランヴィル ジャニス・ウィルソン イルカ・チェイス ジョン・ローダー
★強い母親に監視されて育ったために精神を病んだ名家の娘が、旅に出た船上で妻子ある男と恋に落ち。別の男との恋にも破れて再び入院した彼女は、思いがけない少女と出会うのだった。アカデミー賞劇・喜劇映画音楽賞を受賞したほか、2007年に米国フィルム保存委員会により永久に保存されるべき映画に指定された。
上映日:10月16日(水)14時30分~、10月21日(月)14時30分~
『追憶の女』In this our life (1942年/アメリカ/B&W/97分)
監督:ジョン・ヒューストン
製作:デヴィッド・ルイス ハル・B・ウォリス
原作:エレン・グラスゴー
脚本:ジョン・ヒューストン ハワード・コッチ
撮影:アーネスト・ホーラー
音楽:マックス・スタイナー
出演:ベティ・デイヴィス オリヴィア・デ・ハヴィランド ジョージ・ブレント デニス・モーガン チャールズ・コバーン フランク・クレイヴン ビリー・バーク ハティ・マクダニエル リー・パトリック
★婚約者がいながら妹の旦那と駆け落ち。しかも彼を自殺に追い込み、実家に戻ると、今度は妹と付き合い始めていた元婚約者を取り戻そうと画策。
しかしそれは上手く行かず、そのいらだちから子供を車でひき殺してしまう。そしてその罪を黒人青年になすり付けようとする・・・。名匠ジョン・ヒューストンの初期監督作品。
アメリカ南部を舞台に、婚約者をもつ身ながらおしとやかで優しい妹の夫を誘惑し、破滅させるわがままで派手な悪女をベティ・デイヴィスが演じている。
上映日:10月18日(金)17時~、10月25日(金)15時~
『ラインの監視』Watch on the rhine (1943年/アメリカ/B&W/110分)
監督:ハーマン・シュムリン
製作:ハル・B・ウォリス
原作:リリアン・ヘルマン
脚本:ダシール・ハメット
撮影:メリット・ガースタッド ハル・モーア
音楽:マックス・スタイナー
出演:ベティ・デイヴィス ポール・ルーカス ルシル・ワトソン ジェラルディン・フィッツジェラルド
★リリアン・ヘルマンの戯曲の映画化で、ダシール・ハメットが脚本を手がけた。10数年ぶりにアメリカに戻ったサラは、ナチス抵抗運動の活動家である夫クルトと子供たちを連れていた。やがて本国ドイツでの仲間の危機を知ったクルトは・・・・。ルーカスがアカデミー賞主演男優賞を受賞したほか、作品賞でもノミネートされた。
上映日:10月17日(木)17時~、10月24日(木)15時~
入場料:1300円均一(当日券のみ)
※2本連続鑑賞2400円 3本連続鑑賞3500円
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