8/22~9/2　欧米クラシック・シリーズ69

欧米クラシック・シリーズ第69弾は、恒例となったアメリカ映画アクションの王道、西部劇特集です。

定番のランドルフ・スコット、オーディ・マーフィらウエスタンスター主演作や、珍しや名バイプレイヤーロイド・ブリッジス、ブロデリック・クロフォードの主演作品など、プログラムピクチャー西部劇の中から稀少作品を14作品セレクトしてお届けします。

残暑を、華麗なるガンファイトの数々で吹き飛ばして下さい。

例によって複数本割もございますので、ぜひご利用下さい！！

上映期間　8月22日（月）～9月2日（金）

上映作品（全作品アメリカ映画・DVD上映）

『モヒカン族の最後』The Last of Mohicans（1936/B＆W/91分）

監督：ジョージ・Ｂ・サイツ

製作：エドワード・スモール

原作：ジェームズ・フェニモア・クーパー

脚本：フィリップ・ダン

撮影：ロバート・プランク

音楽：ナサニエル・シルクレット　ロイ・ウェッブ

出演：ランドルフ・スコット　ビニー・バーンズ　ヘザー・エンジェル　ヒュー・バックラー　ヘンリー・ウィルコクソン　ブルース・キャボット

★クーパー原作の二回目の映画化作品。1757年、イギリスとフランスがアメリカで戦ったフレンチ・インディアン戦争の真っただ中。イギリス植民地のウィリアム・ヘンリー砦は、カナダから押し寄せるフランス軍とモントカーム・インディアンの侵略に脅かされていた。イギリスでは援軍の派遣を決定するが、到着まで砦を死守するのは正規軍の他に、荒い熊の帽子に鹿革服の義勇軍スカウトのホークアイと、彼の友達のモヒカン族最後の生き残り戦士親子だった。一方、ヘンリー砦の司令官マンローの元に大佐の娘アリスとコーラを送り届ける任務を命令されたヘイワード少佐。彼はエドワード砦を出発するがガイドのヒューロン族のマグアはフランスのスパイだった。ランドルフ・スコット初期の出世作として知られる娯楽西部劇。

上映日：8/25（木）＆9/1（水）18時40 分～

『ネヴァダ男』Nevada（1944/B＆W/62分）

監督：エドワード・キリー

製作：ハーマン・シュロム

原作：ゼイン・グレイ

脚本：ノーマン・ヒューストン

撮影：ハリー・Ｊ・ワイルド

音楽：Ｃ・バカライニコフ　ポール・ソーテル

出演：ロバート・ミッチャム　アン・ジェフリーズ　グイン・“ビッグ・ボーイ”・ウィリアムズ　ナンシー・ゲイツ　ハリー・ウッズ

★ジム・レイシーは”ネヴァダ男”とあだ名される勇敢なカウボーイだった。ある時、サン・マウンテンに有望な鉱山があると聞きつけ、仲間とゴールド・ヒルの町へ乗り込む。その途中、鉱石の鑑定の仕事をするジュリーという女性と知り合う。彼女は友人のブリッジに頼まれて鑑定に出かけた帰り途だった。鉱石は大量の銀を含んでいる事が分かったが、ブリッジはそのことを鉱山所有者には知らさず彼を殺し鉱山の所有権を乗っ取る。事件が公になると嫌疑がネヴァダ男にかかり、捕らえられるが仲間の助けで脱獄し真相を調べ始める。1927年にゲイリー・ク－パー主演で作られた『ネヴァダ男』（サイレント）のリメイクで、当時27歳のミッチャムがRKO映画に移籍して作られた第1作目の西部活劇。

上映日：8/26（金）＆9/2（金）18時40 分～

『背高きテキサス人』The tall Texan（1953/B＆W/84分）

監督・脚本：エルモ・ウィリアムズ

製作：Ｔ・Ｆ・ウッズ　ロバート・Ｌ・リッパート・Ｊｒ

撮影：ジョセフ・Ｆ・バイロック

音楽：バート・シェフター

出演：ロイド・ブリッジス　リー・Ｊ・コッブ　マリー・ウィンザー　ルーサー・アドラー

★1台の駅馬車で南西部のコマンチ郡を旅する5人のいわくありげな旅客たち。殺人の容疑をかけられて護送中のべン・トラスクと護衛の保安官、百戦錬磨の過去を持つベス船長、そして賭博師とその妻である。やがて命を助けたインディアンから、彼らの埋葬地に手つかずの金鉱地があることを聞かされる。乗客達は欲に目がくらみ勝手な行動を起こし始める。そんな中、ベンだけは危険を回避しようと１人動き出す。金の欲に踊らされる人々の顛末をリアルに描いた異色西部劇。’57年に短縮版で日本公開された。

上映日：8/25（木）＆9/1（水）15時15分～

『オクラホマ無宿』The Doolins of Oklahoma（1949/B＆W/90分）

監督：ゴードン・ダグラス

製作：ハリー・ジョー・ブラウン

脚本：ケネス・ガメット

撮影：チャールズ・ロートン・Ｊｒ

音楽：ジョージ・ダニング　ポール・ソーテル　モリス・Ｗ・ストロフ

出演：ランドルフ・スコット　ジョージ・マクレディ　ルイーズ・アルブリットン　ジョン・アイアランド

★1889年。オクラホマはハリソン大統領によって入植者の為、広大な土地が解放された。その結果、多くのカウボーイが失業し悪の道に染まっていった。ビル・ドーリンは仲間を集めて、ギャング団を結成し銀行や列車を襲撃した。彼らが身を隠すインガルスの町には、仲間達の恋仲の女達がいた。ある時、保安官ヒューズがドーリン一味を追い町にやって来る。ドーリンは3ヶ月後の再起を約束して団を解散させるが、彼はエレインと恋仲になり結婚したことから堅気になろうと決意する。3ヶ月が経ち仲間達が来て再起を促すが、ドーリンにはまったくその気がなかった。『殴り込み一家』『シマロン・キッド』にも登場した西部史上の実在人物ビル・ドーリンを描いたアクション西部劇。スコットが悪漢を演ずることも珍しい。『勇者のみ』（’51）などの異色西部劇で知られるゴードン・ダグラスの佳作。モノクロの撮影が秀逸。

上映日：8/24（水）＆31（水）18時40分～

『ミシシッピの賭博師』The Mississippi Gambler（1953/カラー/98分）

出演：タイロン・パワー　パイパー・ローリー　ジュリー・アダムス　ジョン・マッキンタイア　アニタ・エクバーグ　デニス・ウィーヴァー

★1853年。ミシシッピ河に望むセントルイスの桟橋にニューヨークからマーク・フェロンがやってくる。彼はイカサマがはびこる蒸気船の賭博で、正当な勝負でイカサマ師たちを一掃しようと考え、知り合った老賭博師ポリィと一緒に船に乗り込んだ。マ-クはイカサマ師や実業家の息子ローランたちを相手に大勝する。大負けしたローランは借金のカタにと家宝のネックレスで払う。しかし、これがローランの妹のアンジェリクの物だったことから、マークは彼女と知り合うことになる。剣の腕前も一級で、見事なカードさばきを見せる賭博師をタイロン・パワーが、河船に巣食う悪党どもを一掃する物語。『生きるべきか死ぬべきか』などの名作のキャメラマンとして名を成したルドルフ・マテが演出した痛快活劇。『怒りの河』など多くの西部劇を手掛けた撮影監督アーヴィング・グラスバーグの鮮やかなテクニカラーも一際印象深い。

上映日：8/24（水）＆31（水）17時～

『シスコ・キッド』The Cisco Kid（1931/B＆W/60分）

監督：アーヴィング・カミングス

脚本：アルフレッド・Ａ・コーン

撮影：バーニー・マッギル

出演：ワーナー・バクスター　エドマンド・ロウ　コンチータ・モンテネグロ　ノーラ・レイン　フレデリック・バート　ジャック・ディロン

★オー・ヘンリーの短編小説を映画化した娯楽西部劇の秀作。5000ドルの賞金がかけられているお尋ね者のシスコ・キッドは神出鬼没の早業で当局を翻弄していた。騎馬警官ミーキー・ダンはキッドを逮捕しようとつけ狙っていた。ある時、酒場で飲んでいたキッドを見つけ一弾を放ったが、かろうじてキッドは逃れる。数々の映画やテレビ・シリ－ズの主人公として登場したオー・ヘンリー原作の西部の無法者快男児シスコ・キッドの映画化。主演のワーナー・バクスターは『懐かしのアリゾナ』（1928年/アカデミー主演男優賞）に続いて2度目のシスコ・キッドを演じて喝采を浴びた。

上映日：8/26（金）＆9/2（金）14時～

『ビリー・リンゴのガンベルト』Gun Belt（1953/B＆W/77分）

監督：レイ・ナザロ

製作：エドワード・スモール

脚本：ジャック・デウィット　リチャード・シェイヤー

撮影：Ｗ・ハワード・グリーン

編集：グラント・ワイトック

音楽：アーヴィング・ゲルツ

出演：ジョージ・モンゴメリー　タブ・ハンター　ヘレン・ウェスコット　ジョン・デナー　ウィリアム・ビショップ　ジャック・イーラム　ダグラス・ケネディ　ジェームズ・ミリカン

★ガンマンのビリー・リンゴは拳銃稼業から足を洗い、牧場を買って堅気の世界に入ろうとアーレン・リーチと結婚する。だがリンゴの弟のマットが、仲間の無法者と組んで計画した銀行強盗に無理矢理引き込まれ、ビリーは誤ってマットを殺してしまう。自責の念に捕われたビリーは保安官ワイアット・アープに、マットの仲間たちがウエルズ・フアーゴ銀行の駅馬車を襲う計画を立てていると密告し、一味を銃撃戦で倒し首謀者のアイク・クリントンを保安官に引き渡す。ワイアット・アープが登場する事、ビリー・リンゴの名前がリンゴ・キッドを彷彿させる事、アイク・クリントンがアイク・クラントンを思い起こさせる事などから、OK牧場の決闘そのものではないものの、1880年代の西部を舞台に手際よくつくられた西部活劇だ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

上映日：8/26（金）＆9/2（金）17時～

『最後の捜索隊』The Last Posse（1953/B＆W/73分）

監督：アルフレッド・Ｌ・ワーカー

製作：ハリー・ジョー・ブラウン

脚本：シーモア・ベネット　コニー・リー・ベネット　ケネス・ガメット

撮影：バーネット・ガフィ

編集：ジーン・ハヴリック

出演：ブロデリック・クロフォード　ジョン・デレク　チャールズ・ビックフォード　ワンダ・ヘンドリックス　ワーナー・アンダーソン　ヘンリー・ハル　ウィル・ライト

★悪党三人組が牧場主の金を強奪して逃亡したため、保安官ジョン・フレージャーは捜索隊を組織して三人組を追跡する。やがて捜索隊は犯人一味の一人も捕らえられず、盗まれた金も取り返せず戻って来た。だが物語の真実はまったく別なところにあった。父親と息子二人の強盗に襲われて逃げられたというサンプル・ドルーンの話にまんまと騙されて捜索隊は強盗を追跡していたのだった。やがて事態は思わぬ方向に突き進んで行く。複雑な物語展開が驚きの結末で締めくくられる異色のミステリー西部劇。オスカー俳優クロフォードが酔いどれ保安官フレージャーを好演している。　

上映日：8/22（月）＆29（月）17時～

『ロビン・フッドの復讐』The robin hood of el dorado（1936/B&W/85分）

監督：ウィリアム・ウェルマン

音楽：ハーバート・ストサート

出演：ワーナー・バクスター　アン・ローリング　マーゴ　ブルース・キャボット　Ｊ・キャロル・ネイシュ

★1848年、米墨戦争の結果カリフォルニア州がアメリカに譲渡された時代のカリフォルニアが舞台。メキシコ農民ホワキンは妻と静かな生活を送っていたが、折からのゴールドラッシュでアメリカ人が洪水のように押し寄せてきた。ホワキンの土地に金鉱脈があるのを知った無法者たちは、家に上がり込み２人に暴行を加え追い立てる。そのことが原因で妻が亡くしたことでホワキンは復讐の鬼と化し、妻を殺した４人の男を次々と殺しお尋ね者として手配される。親友のアメリカ人ビルの勧めで田舎の兄の農園に逃れたホワキンだったが　そこも襲撃され兄も殺され彼も傷つく。負傷したホアキンを救ったのは”３本指のジャック”という無頼漢だった。『つばさ』で第1回アカデミー作品賞を受賞したウエルマンがアメリカ激動の時代に生きたひとりのメキシコ人を通して西部史の断面を描いた西部活劇。

上映日：8/25（木）＆9/1（木）17時～

『私刑（リンチ）される女』Woman They Almost Lynched（1953/B＆W/90分）

監督：アラン・ドワン

原作：マイケル・フェッシャー

脚本：スティーヴ・フィッシャー

撮影：レジー・ラニング

音楽：スタンリー・ウィルソン

出演：オードリー・トッター　ジョーン・レスリー　ジョン・ランド　ブライアン・ドンレヴィ　ジェームズ・ブラウン

★1861 年、南北戦争が勃発すると南軍を装ってゲリラ部隊を組織して、各地で暴虐を働いていたクァントリル・ゲリラ団。その首領クァントリルには、ボーダー・シティで拉致して強引に妻にしたケイトという女がいた。ケイトはクァントリルの悪の指導で頭角をあらわしゲリラ団の副首領となり、男装して各地を荒し回っていた。しかし、ケイトはボーダー・シティで安酒場を営む恋人ビッタルートを忘れられないでいた。ある時、ゲリラ団はビッタルートの妹サリーの乗る駅馬車を襲撃し護衛の北軍兵を殺してしまう。その結果、ビッタルートを巻き込んだゲリラ団と北軍との戦いに突き進んで行く。サイレント初期から1961年まで 400本を越える作品を監督したハリウッドのパイオニアの一人、アラン・ドワンが監督した異色西部劇。

上映日：8/26（金）＆9/2（金）15時15分～

『挑戦』The marshal of mesa city（1939/B＆W/62分）

出演：ジョージ・オブライエン　ヴァージニア・ヴェイル　レオン・エイムズ　ヘンリー・ブランドン

★無法者が支配する1880年のアリゾナのメサ・シティ。学校教師のヴァージニアに言い寄る町の保安官クローニン。彼女は悪の限りを尽くすクローニンがのさばるメサを離れる決意をし、町を出る駅馬車に乗り込むが保安官の手下に襲われる。その時、偶然通りかかったマーシャル、クリフ・メイソンにヴァージニアは救われる。だが、駅馬車は車輪が外れて走れなくなったためヴァージニアとメイソンは町に戻る。そこでメイソンは群保安官として町を裏から牛耳るクローニンの悪行を知る。動きを察知したクローニンはメイソンを消そうと、ガンマンのデュークを町に呼び寄せる。そして二人の対決は避けられない事態になってくる。ジョン・フォードの『アイアン・ホース』『三悪人』などで活躍したサイレント時代の大スター、ジョージ・オブライエンがメイソンを好演する見せ場たっぷりの正統派西部劇。

上映日：8/22（月）＆29（月）14時～

『地獄の狼』Devil’s canyon（1953/カラー/92分）

出演：デイル・ロバートソン　ヴァージニア・メイヨ　スティーヴン・マクナリー　アーサー・ハニカット

★1891年のアリゾナ。元保安官ののビリー・レイノルズは、獄に送ったジェシー・ゴーマンの弟二人が復讐にきたと、ジェシーの恋人アビー・ニクソンから知らされ、拳銃をとって2人を倒した。そのため有罪を宣告され、アリゾナ監獄に送られたがここには弟の復讐を狙うジェシーが入獄中だった。まもなくこの牢獄に駅馬車襲撃をして捕えられたアビーが入ってきたが、たった1人の女囚なので、処置に窮した主任モーガンは、彼女を獄内病院の看護婦にした。彼女は早速ジェシーと連絡し、獄内に銃器を持込む手筈をつけた。ジェシーはかねてビリーを狙っていたが、ビリーの雑房に逃亡用のヤスリをかくし、彼が脱獄すると密告した。3Dイーストマンカラーで製作されたアクション満載の娯楽西部劇。

上映日：8/24（水）＆31（水）15時15分～

『立ち向かう男』The vanquished（1953/カラー/84分）

監督：エドワード・ルドウィグ

製作：ウィリアム・パイン　ウィリアム・トーマス

原作：カール・ブラウン

脚本：ルイス・Ｒ・フォスター　ウィンストン・ミラー　フランク・Ｌ・モス

撮影：ライオネル・リンドン

音楽：ルシアン・カイリエ

出演：ジョン・ペイン　ジャン・スターリング　コリーン・グレイ　ライル・ベトガー　エレン・コービイ　カレン・シャープ

★南北戦争で北軍の捕虜となったロック・グレイソンは釈放後、故郷の南部の町に帰ってみると町は北部からの移住者ロジャー・ヘイルに牛耳られていた。グレイソンの昔の敵でもあるヘイルは、グレイソン家の邸宅を勝手に自分の陣地として使い、さらにグレイソンの恋人ジェーンにも手を出そうとしていた。町の人々からの要望に迫られたグレイソンは、ヘイルの横暴なやり口を止めるため立ち上がる。だがあっさりヘイルの収税吏長に就任して人々を驚かせる。実はグレイソンは法的手段によってヘイルを倒すための証拠を集めようと、密かに計画していたのだった。カール・ブラウンの小説をパラマウント映画で『追われる男』『熱風の街』などの多くの西部劇を手がけた、ウィリアム・パイン、ウィリアム・トーマスのコンビが製作した一捻り効いた佳作。

上映日：8/22（月）＆29（月）15時15分～

『地獄への挑戦』I Shot Jesse James（1950/B＆W/96分）

監督・原案・脚本：サミュエル・フラー

製作：カール・Ｋ・ヒットルマン

製作総指揮：ロバート・Ｌ・リッパート

原作：ホーマー・クロイ

撮影：アーネスト・ミラー

出演：ジョン・アイアランド　プレストン・フォスター　バーバラ・ブリトン　リード・ハドレー　トム・タイラー　Ｊ・エドワード・ブロムバーグ　ヴィクター・キリアン

★1882年、ミズーリの隠れ家で傾いた額を直す瞬間を背中から撃たれたジェシー。卑怯な手段で彼を殺めて、その首に懸かった賞金を手にしようとしたロバートは、批判的な世評に耐えきれず次第に荒んだ生活を送るようになる。やがてトランプ賭博で負けた代償に、舞台でかつての事件の再現ショーをするまでに落ちぶれていく・・・。独立プロで製作費10万ドル、撮影日数10日で撮られたフラー監督の記念すべきデビュー作。有名な西部の無法者ジェシー・ジェイムズに最も信頼されながら、裏切って彼を殺したロバート・フォードの陰惨極まりないその後の人生を、ロングショットとクローズアップのみで見せる、荒々しくも魅力的な映画。

上映日：8/22（月）＆29（月）18時40分～