
欧米クラシック・シリーズ第38弾は、カルト映画の金字塔『フリークス/怪物團』でその名を知られる鬼才トッド・ブラウニング監督の特集です。
サーカス団員から映画界入りした変わり種ですが、映画を「見世物」として捉えつつ、異形のものに向ける眼差しの温もりこそ、この監督の真骨頂でしょう。
今回は、『フリークス/怪物團』のルーツとも言える『見世物』の他、やはり代表作である『魔人ドラキュラ』のセルフパロディ『古城の妖鬼』など4本セレクトしてお届けします。
例によって複数本割もございますので、ぜひご利用下さい!!
トッド・ブラウニング Tod Browning(1880/07/12~1962/10/06)
アメリカ/ケンタッキー州ルイヴィル出身。16歳で家を出てサーカスに入団、やがて映画俳優として活躍を始める。その後短編を監督し、16年にD・W・グリフィスの「イントレランス」で助監督となり、17年の“Jim Bludso”で長編デビューを果たした。その後はメロドラマ中心に演出を手がけたが、26年の「黒い鳥」で俳優ロン・チャニーと組んでから猟奇ドラマに転向。31年に監督した「魔人ドラキュラ」でユニバーサル・ホラー路線を確立したが、33年の「怪物團」では本物の身体障害者を出演させて物議をかもしだした。ウィリアム・コリアー・Jrの叔母など、2度の離婚歴があった。62年、ガンで死亡。
上映期間 11月7日(木)& 8日(金)
上映作品(全作品DVD上映)
『見世物』The Show (1927年/米/B&W/73分)
監督:トッド・ブラウニング
脚本:ウォルデマー・ヤング
撮影:ジョン・アーノルド
出演:ジョン・ギルバート ルネ・アドレー ライオネル・バリモア エドワード・コネリー ガートルード・ショート アンディ・マクレナン
★ロビンはブタペストの見世物小屋の人気者の役者だが傲慢な風情が反感を買っていたが女たちには人気があった。ある日ロビンは町に来た金持ちの羊飼いの娘レナと知り合い、彼女の大金と羊を手に入れようと,言葉巧みに近づいていく。一方、ギリシャ人と名乗る,暗黒街の男(バリモア)は店もの小屋の花形女優サロメに言い寄っているが、サロメは舞台のヨハネ役のロビンに想いを寄せていたため事態は思わぬ展開を見せ始める・・・。サーカス小屋出身のブラウニングが、見世物小屋に生きる、様々な過去を持つ人間たちの愛憎をリアルに描いた作品。『ビッグ・パレード』(’25)などの大作に主演し、当時ヴァレテイノと並ぶ人気を誇ったギルバートがロビンを好演。
上映日:11月7日(木)14時30分~、11月8日(金)17時30分~
『街の伊達男』Fast Workers(1933年/米/B&W/66分)
監督:トッド・ブラウニング
原作戯曲:ジョン・マクダーモット
脚本:カール・ブラウン ラルフ・ウィールライト
撮影:J・ペヴァレル・マーレイ
出演:ジョン・ギルバート ロバート・アームストロング メエ・クラーク ミュリエル・カークランド ヴィンス・バーネット ヴィージニア・チェリル ミュリエル・エヴァンス
★ガンナーとバッカーは高層ビルの鋲打ち専門の職人だ。バッカーが、四六時中、結婚をしたがるために、ガンナーは相手の女を誘惑して彼女が本気かどうか確かめている。だがある日、ガンナーが喧嘩で留置場にぶち込まれてる間に、バッカーは手慣れのメアリーに出会う。彼は彼女に惚れ込み、彼女は彼の金に惚れこんだ。しかし、メアリーはすでにガンナーの女友達であり、しかも二人は彼女の三番目の男を知らない。もはや手遅れというタイミングで三角関係が明らかになった時から、大きなトラブルが始まる。前年、世界中で公開禁止などセンセーションを巻き起こした映画史の伝説『フリークス』の衝撃の余波が、まだ残って いたブラウニングのコメデイ・タッチのドラマ。
上映日:11月7日(木)16時~、11月8日(金)19時~
『古城の妖鬼』Mark of the Vampire (1935年/米/B&W/68分)
監督: トッド・ブラウニング
製作: E・J・マニックス
原作: トッド・ブラウニング
脚本: ガイ・エンドア バーナード・シューバート
撮影: ジェームズ・ウォン・ハウ
出演: ベラ・ルゴシ ライオネル・バリモア エリザベス・アラン ライオネル・アトウィル カロル・ボーランド ジーン・ハーショルト ドナルド・ミーク
★舞台は現代のヨーロッパ。貴族のカレルの変死体が発見される。検死担当医は、遺体から大量の血が抜き取られている事や、首筋に小さな傷が2つ残されていたことから、吸血鬼の犯行と疑い村人にもその事が伝わる。地元では古城に住むモーラ伯爵と娘ルナの吸血鬼伝説が根強く信じられていたのだ。警察は迷信だとして一笑に付したが、その後も関係者が吸血鬼に襲われるという事件が発生したことから周辺に緊張が走る。さらに古城の廃墟で真夜中に吸血鬼の姿が目撃された ことから、村の人々にパニックが起る。事態を重く見ニューマン警部はヴァンパイア研究の第一人者であるゼリン教授を呼び寄せる。トッド・ブラウニングが自身のサイレント映画london after midnight(’27)をリメイクした上質のエンターテイメント・ゴシック・ホラー。
上映日:11月7日(木)19時~、11月8日(金)14時30分~
『帽子から飛び出した死』Miracles for Sale(1939年/米/B&W/71分)
監督:トッド・ブラウニング
原作:クレイトン・ローソン
脚本:ハリー・ラスキン マリオン・パーソネット ジェームズ・エドワード・グラント
撮影:チャールズ・ロートン・Jr
出演:ロバート・ヤング フローレンス・ライス フランク・クレイヴン ヘンリー・ハルリー・ボウマン クリフ・クラーク アストリッド・オールウィン ウォルター・キングスフォード
★マイク・モーガンは手品師たちがショーで使う”魔法”を作っている。彼の仕事は”奇跡を売る”事である一方、趣味はいかさま降霊術師たちの嘘を暴く事だった。彼はサバト医師からある降霊会に誘われクラブに行く。だが、彼はいなく代わりにそこで知り合った若い女性ジュデイから、自分を助けて欲しいと頼まれ、その夜、彼女を殺す計画を防いだ。モーガンはサバト医師の身元を案じて、彼の宿泊ホテルに向かうとドアにはチェーンがかかっている。中から奇妙な話し声が聞こえてきたので、モーガンがドアを破って部屋に入ると誰の姿も見えず、サバト氏は窒息死していた。チェーンがかかった誰もいない部屋での殺人は不可能に思えたが、これは第一の殺人にすぎなかった。クレイトン・ロースンの密室殺人事件小説『帽子から飛び出した死』をブラウンニングが『奇跡売ります』のタイトルで映画化した遺作。
上映日:11月7日(木)17時30分~、11月8日(金)16時~
入場料:1300円均一(当日券のみ)
※2本連続鑑賞2400円 3本連続鑑賞3500円 4本連続鑑賞4500円
欧米クラシック・シリーズ㊳
トッド・ブラウニング 監督特集




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