戦中から戦後にかけて、低予算のプログラムピクチャアで腕を磨き、後に巨匠と崇められる5人の監督たちの初期～中期作品をセレクト、一挙上映します。

​「ダーティ・ハリー」など独自のアクション演出で今なお根強い人気を誇るドン・シーゲル、50年代以降は大作映画の御用達監督となるアンソニー・マン、脚本家からスタートし、個性派俳優として活躍する傍ら、晩年まで映画作家としてのキャリアを全うしたジョン・ヒューストン、デビュー間もなくレッドパージによってハリウッドを追われ、生涯のキャリアのほとんどをヨーロッパで重ねたジョセフ・ロージー、そして当館支配人が最も敬愛する監督の一人ロバート・シオドマクらの劇場未公開作品も含む全9作品。

映画本来の面白さ、楽しさを十分ご堪能いただきます。

​会期中、全作品何度でもお楽しみいただけるフリーパスも販売しますので、この機会にぜひ巨匠たちの足跡をスクリーンで辿ってみて下さい！

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上映期間　4月10日（月）～16日（日）

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上映作品（全作品DVD上映）

「都会の叫び」 CRY OF THE CITY (1948／B＆W／95分)

監督：ロバート・シオドマク

製作：ソル・Ｃ・シーゲル

原作：ヘンリー・エドワード・ヘルセス

脚本：リチャード・マーフィ

撮影：ロイド・エイハーン

音楽：アルフレッド・ニューマン

出演：リチャード・コンテ　ヴィクター・マチュア　シェリー・ウィンタース　フレッド・クラーク

☆警官と撃ち合って病院に収容されたギャングが、看護婦に恋人を匿わせる。移送された刑務所から自らも逃げ出すと、別の罪をまでなすりつけようとした悪徳弁護士を射殺するのだった。しかし、旧友である警部の手も迫っていた・・・・。敵対しながらも同じ環境で育ったギャングと警部の、断ち切れない精神的な絆がやるせなく観る者に迫る佳作。

上映日：4/12（水）15時～、4/16（日）13時～

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「仮面の報酬」 THE BIG STEAL (1949／B＆W／71分)

監督：ドン・シーゲル

製作：ジャック・Ｊ・グロス

原作：リチャード・ワームサー

脚本：ジェフリー・ホームズ　ジェラルド・ドレイソン・アダムズ

撮影：ハリー・ワイルド

音楽：リー・ハーライン

出演：ロバート・ミッチャム　ジェーン・グリア　ウィリアム・ベンディックス　パトリック・ノウルズ

☆公金横領の嫌疑をはらすために、真犯人のフィスクを追ってメキシコへやってきたデューク。デュークを捕まえるためにやってきた刑事をぶちのめし､偶然出会ったフィスクの情婦ジョーンを勝手にチキータと名づけて二人の見知らぬ犯人追跡劇が始まる。辛辣で洒落た台詞の応酬、スピーディなアクション、息もつかせぬ展開のシーゲルのＲＫＯ時代初期監督作。

上映日：4/10（月）19時～、4/14（金）17時～

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「暗闇の秘密」NIGHT UNTO NIGHT (1949／B＆W／84分)

監督：ドン・シーゲル

製作総指揮：ジャック・Ｌ・ワーナー

原作：フィリップ・ワイリー

脚本：キャスリン・スコラ

撮影：ペヴァレル・マーレイ

音楽：フランツ・ワックスマン

出演：ロナルド・レーガン　ヴィヴェカ・リンドフォース

ブロデリック・クロフォード　ローズマリー・デキャンプ

オーサ・マッセン

☆フロリダ東海岸の不吉なたたずまいの中に立つうら寂しい古い館。その影で二人の男女が逢っている。不治の病に悩まされる科学者と亡くなった夫の影におびえる女の不安と恐怖を描いた、ドン・シーゲルがデビュー作「VERDICT」(1946)に続いて演出した初期異色作。この作品でシーゲルは、主演女優ヴィヴェカ・リンドフォースと恋に落ち、結婚する。

上映日：4/10（月）17時～、4/14（金）19時～

 

「Tメン」T-MEN (1947／B＆W／96分）

監督：アンソニー・マン

製作：オーブリー・シェンク

原案：ヴァージニア・ケロッグ

脚本：ジョン・Ｃ・ヒギンズ

撮影：ジョン・アルトン

音楽：ポール・ソーテル

出演：デニス・オキーフ　メアリー・ミード　アルフレッド・ライダー　ウォーリー・フォード　ジューン・ロックハート

☆アメリカ財務省のTメン（特別税務調査官）たちがマフィアの偽札ルートを追って潜入捜査をして行く中で見えてくる，アメリカ闇社会の現実や捜査官の非情な運命を描く。その徹底したリアリズム描写と様式美が天才キャメラマン、ジョン・アルトンの見事なカメラワークでスタンダード画面一杯に甦った紛れもない傑作。

上映日：4/11（火）19時～、4/14（金）15時～

 

「脱獄の掟」 RAW DEAL(1948／B＆W／79分)

監督：アンソニー・マン

脚本：レオポルド・アトラス　ジョン・Ｃ・ヒギンズ

撮影：ジョン・アルトン

音楽：ポール・ソーテル

出演：デニス・オキーフ　クレア・トレヴァー　マーシャ・ハント　ジョン・アイアランド　レイモンド・バー

☆ギャングのチンピラ、ジョーは組織の罠にはまり、強盗事件の罪を一人で被る羽目になった。彼は約束された5万ドルの分け前を要求するため、愛人パットの手助けで脱獄することに成功する。その情報はすぐさま組織のボス、リックに伝えられた。実は、事前にジョーとパットが脱獄を企てているという情報を入手していた組織は、秘かに脱獄のお膳立てを準備していたのだった・・・。脚本、撮影、主演を『Tメン』と同じコンビで作られたもう一つの傑作ノワール。『巴里のアメリカ人』でオスカーを受賞したジョン・アルトンのモノクロのコントラストを強調した独特の画面構成は秀逸。

上映日：4/11（火）17時～、4/13（木）15時～

 

「パナマの死角」 ACROSS THE PACIFIC（1942／B＆W／97分)

監督：ジョン・ヒューストン

脚本：リチャード・マコーレイ

撮影：アーサー・エディソン

音楽：アドルフ・ドイッチ

出演：ハンフリー・ボガート　メアリー・アスター　シドニー・グリーンストリート　チャールズ・ハルトン

☆太平洋戦争直前のアメリカ。周囲からの信頼も厚かった歴戦の勇士リーランド大尉が、窃盗の容疑で軍法会議にかけられて有罪判決になる。屈辱的な汚名を着せられて軍隊を去らねばならなくなった彼は、居場所を求めて各地の軍隊を転々とする。中国行きを決意して日本国籍の船へ乗り込むリーランド。そんな彼に、日本軍のスパイの一味が接近する・・・。誰が味方で誰が敵なのか分からないという疑心暗鬼の緊張感。前年にフィルム･ノワールの傑作『マルタの鷹』で高い評価を得た巨匠ジョン･ヒューストン監督が、ほぼ同じスタッフと主演キャストを再集結させて撮ったスパイ･スリラー。

上映日：4/13（木）19時～、4/15（土）11時～

 

「追憶の女」IN THIS OUR LIFE (1942／B＆W／９７分)

監督：ジョン・ヒューストン

製作：デヴィッド・ルイス　ハル・Ｂ・ウォリス

原作：エレン・グラスゴー

脚本：ジョン・ヒューストン　ハワード・コッチ

撮影：アーネスト・ホーラー

音楽監督：レオ・Ｆ・フォーブステイン

音楽：マックス・スタイナー

出演：ベティ・デイヴィス　オリヴィア・デ・ハヴィランド

ジョージ・ブレント　デニス・モーガン　チャールズ・コバーン

☆名匠ジョン・ヒューストンの初期監督作品。アメリカ南部を舞台に、婚約者をもつ身ながらおしとやかで優しい妹の夫を誘惑し、破滅させるわがままで派手な悪女をベティ・デイヴィスが演じている。

上映日：4/13（木）17時～、4/15（土）13時～

 

「不審者」 THE PROWLER（1951年／B&W/92分)

監督：ジョセフ・ロージー

製作：Ｓ・Ｐ・イーグル

原案：ロバート・ソーレン　ハンス・ウィルヘルム

脚本：ダルトン・トランボ（クレジットなし）　ヒューゴ・バトラー

撮影：アーサー・Ｃ・ミラー

編集：ポール・ウェザーワックス

音楽：リン・マーレイ

出演：イヴリン・キース　ヴァン・ヘフリン　ジョン・マクスウェル　キャサリン・ウォーレン

☆深夜放送のDJの妻スーザンが誰かに浴室でのバスローブ姿を覗き見られ警察に通報する。パトロール警官ウェブが同僚と駆けつけるが、すでに不審者はいない。同じ夜、ウェブは再びスーザンの家を訪れ、ラスベガスでモーテルを経営すれば儲かるという夢を彼女に語る。ウェブはスーザンが結婚生活に行き詰まっていることを知り、スーザンを誘惑する。アメリカン・ドリームの暗い面を描いたジョゼフ・ロージー初期の佳作。

上映日：4/11（火）15時～、4/12（水）19時～、4/16（日）11時～

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「大いなる夜」THE BIG NIGHT （1951年／B&W/76分)

監督：ジョセフ・ロージー

製作：フィリップ・Ａ・ワックスマン

原作：スタンリー・エリン

脚本：ジョセフ・ロージー　スタンリー・エリン

撮影：ハル・モーア

音楽監督：レオン・クラッキン

音楽：リン・マーレイ

出演：ジョン・バリモア・Ｊｒ　プレストン・フォスター　ハワード・セント・ジョン　ジョーン・ロリング

☆17歳の心優しいジョージーは母親を亡くし、酒場を営む父親と暮らす。ジョージーにとって父親こそ男の中の男だった。17歳の誕生日の夜、その父親が店に現れた一人の男の言われるままに屈辱的な扱いと暴力を受ける。ふがいない父の復讐を誓ってジョージは拳銃を持って夜の町に出る・・・。ジョゼフ・ロージー監督が赤狩りを逃れてヨーロッパに亡命する前にハリウッドで最後に撮った作品である。

上映日：4/10（月）15時～、4/12（水）17時～

 

 

入場料：1100円均一（当日券のみ）

※2本連続鑑賞2100円　3本連続鑑賞3100円　

​9本フリーパス（前売のみ・会期中、何度でもご覧いただけます）9000円