欧米クラシック・シリーズ第67弾は、すっかり定番化したアクション映画の王道・西部劇特集です。
今回は、日本劇場未公開作を含むバラエティに富んだ14作品をセレクト。
デミル、ワイズ、ラング、ホークスら巨匠の作品群に加え、ギミックの帝王ウィリアム・キャッスルが手掛けた珍しい正統西部劇『消えた黄金』や、後にピンクパンサーシリーズなどで名を馳せるブレイク・エドワーズが脚本&出演を果たした『膝射ちサム』など、珍しい作品もお楽しみいただけます。
例によって複数本割もございますので、ぜひご利用下さい!!
上映期間 4月11日(月)~22日(金)
上映作品(全作品アメリカ映画・DVD上映)
『ヴァージニアン』The Virginian(1929年/B&W/91分)
監督:ヴィクター・フレミング
製作:ルイス・D・ライトン
原作:オーウェン・ウィスター カーク・ラ・シェル
脚本:ハワード・エスタブルック グローヴァー・ジョーンズ エドワード・E・パラモア キーン・トンプソン
撮影:J・ロイ・ハント エドワード・クロンジャガー
出演:ゲイリー・クーパー ウォルター・ヒューストン リチャード・アーレン メアリー・ブライアン チェスター・コンクリン ユージン・パレット E・H・カルヴァート ヘレン・ウェーア ヴィクトー・ポーテル
★1880年のワイオミング。ボックス・エッチ牧場の牧童頭ヴァージニアンは、可愛がってる弟分のスティーヴを自分の牧場で働かせる事にする。ある日、ヴァージニアンは酒場で無法者トランパスと女の事で言い争いになるが、彼を打ちのめす。ヴァージニアンはエッチ牧場の牛にトランパスの烙印を押しているのを見つけ、スティ-ヴに問いつめる。スティーヴは隠れてトランパス一味の牛泥棒に加担していたのだった。一方、ヴァージニアンはトランパスが大掛かりな牛泥棒の首謀者だと確信し、彼を追いつめていく。若干28歳のクーパー初のトーキー作品。監督フレミングは、10年後『風と共に去りぬ』で映画史にその名を刻む。トランパス役のヒューストンが重厚な演技を見せる。
上映日:4/14(木)&21(木)17時~
『立ち上がる米国』The Conquerors(1932年/B&W/86分)
監督:ウィリアム・A・ウェルマン
製作:デヴィッド・O・セルズニック
脚本:ロバート・ロード
撮影:エドワード・クロンジャガー
音楽:マックス・スタイナー
出演:アン・ハーディング リチャード・ディックス エドナ・メイ・オリヴァー ガイ・キビー ジュリー・ヘイドン ドナルド・クック
★1927年、第1回アカデミー作品賞受賞の『つばさ』以降、30年代から40年台にかけて航空映画やギャング映画の野心作を次々と発表して第一線に躍り出たウエルマン監督。彼がトーキー初期の世界恐慌の中で作り上げた壮大なエンターテイメント作品。冨を求めて西部に旅立った新婚夫妻を通して家族、銀行業,鉄道、悲劇的な事故、株式市場の崩壊、絞首刑、銃撃戦、強盗など黎明期のアメリカの姿が語られていく。その一貫しているテーマは全て西部開拓と経済が腐敗した際の不屈の精神を描いたものだ。出演者、特にマチルダ役のエドナ・メイ・オリヴァーの出色の演技はひと際光る。ウエルマンの剛健な演出とマックス・スタイナーの素朴で感動的な音楽が謳いあげた感動作。
上映日:4/13(水)&20(水)17時~
『西部の裁き』Coroner Creek(1948年/カラー/90分)
監督:レイ・エンライト
製作:ハリー・ジョー・ブラウン
原作:ルーク・ショート
脚本:ケネス・ガメット
撮影:フレッド・ジャックマン・Jr
音楽:ルディ・シュレイジャー
出演:ランドルフ・スコット マーガリート・チャップマン ジョージ・マクレディ サリー・アイラース エドガー・ブキャナン
★コロナー・クリークに街で見かけない男クリス・ダニングが姿を表す。街はヤンガー・マイルズに支配されていた。程なくクリスはマイルスと敵対するデラ・ハームス牧場の牧童頭になり、マイルスに付け狙われはじめる。クリスは西部に来る途中の駅馬車で、アパッチ語を話す強盗に殺された許婚の犯人を探し求めて、この町までやって来たのだった。マイルズはクリスが現れた事で次第に横暴になっていく。彼はひた隠しにしていたアパッチの血が混じる妻アビィや、彼女の父の保安官をも敵にまわしてしまう。やがてクリスはマイルズが真の犯人である確証を握り、マイルズとその一味を追いつめていく。西部小説家ルーク・ショートの原作をエンライト=スコット、コンビが作り上げた逸品。
上映日:4/13(水)&20(水)18時40分~
『宿命の対決』Column south(1953年/B&W/82分)
監督:フレデリック・デ・コルドヴァ
製作:テッド・リッチモンド
脚本:ウィリアム・サックハイム
撮影:チャールズ・P・ボイル
出演:オーディ・マーフィ ジョーン・エヴァンス ロバート・スターリング レイ・コリンズ デニス・ウィーヴァー グレッグ・パーマー ラッセル・ジョンソン ジャック・ケリー ジョニー・ダウンズ
★1860年代初期。アメリカが南北戦争に突き進んでいく頃、ウイットロック大尉はニューメキシコ州のナバホ族の保留地近くにある軍の駐屯地の司令官として赴任する。彼の補佐を務めるセイヤー中尉はナバホ族の酋長メンギートの幼なじみで、今でも親しくしているため、この地域では平和的な関係が保たれていた。だが、ナバホを恨み挑発しようとする戦争扇動グループである南軍シンパの策略のため、セイヤーはかつての親友と戦うことになってしまう。彼は何としてもメンギートの戦士達と騎兵隊の全面衝突を回避しようと、事態の真実を暴こうと動き出す。マーフィー全盛期の騎兵隊活劇。
上映日:4/15(金)&22(金)15時30分~
『ムーンライター』The Moonlighter(1953年/B&W/77分)
監督:ロイ・ローランド
製作:ジョセフ・バーンハード
脚本:ニーヴェン・ブッシュ
撮影:バート・グレノン
音楽:ハインツ・ロームヘルド
出演:バーバラ・スタンウィック フレッド・マクマレイ ウォード・ボンド ジョン・ディークス モリス・アンクラム ジャック・イーラム チャールズ・ハルトン
★ウエス・アンダーソンは夜間に牛泥棒をしていた。ある日、牧場主のプリンスに扇動された町の人々が無実の人物をウエスと間違いリンチにかけ縛り首にする。ウエスの元恋人のレラはウエスの弟で銀行員のトムと付き合っている。幼い頃からウエスに憧れるトムは、プリンス牧場を焼き討ちするウエスの計画に乗り、牧場を燃やしてしまうが銀行もクビになる。一方、ならず者のコールが持ちかけて来た銀行強盗の計画に乗ったウエスは、トムも誘うがレラは激怒しもしもトムに何かあったら責任を取ってもらうとウエスに警告する。強盗は成功するががトムは元上司に撃たれる。追跡隊が結成され志願したレラが隊長になる。ビリー・ワイルダーの『深夜の告白』(’44)で共演したスタンウイック=マクマレーのコンビが再び共演した娯楽西部劇。
上映日:4/11(月)&18(月)15時30分~
『消えた黄金』Cave of Outlaws(1951年/カラー/75分)
監督:ウィリアム・キャッスル
製作:レナード・ゴールドスタイン
脚本:エリザベス・ウィルソン
撮影:アーヴィング・グラスバーグ
編集:エドワード・カーティス
出演:マクドナルド・ケリー アレクシス・スミス エドガー・ブキャナン ヴィクター・ジョリイ ヒュー・オブライアン
★1880年代のアリゾナ。ピート・パーカーとその一味は列車強盗で奪った戦利品を隠すため近くの洞窟に向かった。だが、彼らの後を追って来た保安官の捜索隊と遭遇し激しい銃撃戦になり、降伏したピートを除いて全員が射殺された。ピートはどんなリンチにも堪え隠し場所は口を割らず、刑務所に送られた。やがて数年後、釈放されたピートは隠した洞窟に近い町に戻って来た。列車強盗の後、洞窟は隠された黄金を見つけ出そうとする人たちでごった返し、騒動のなか命を落とす者もいた。町にピートが着いたとき、黄金のために帰って来たのだと誰しもが確信する。その中で、別な目的でピートを待ち構えているエリザベスとダブスがいた。ギミック映画の帝王ウイリアム・キャッスルが手がけたアクション西部劇。
上映日:4/13(水)&20(水)15時30分~
『膝射ちサム』Panhandle(1948年/B&W/85分)
監督:レスリー・セランダー
製作・原作・脚本:ジョン・C・チャンピオン ブレイク・エドワーズ
撮影:ハリー・ニューマン
音楽:レックス・ダン
出演:ロッド・キャメロン キャシー・ダウンズ リード・ハドレー ブレイク・エドワーズ
★1880年のテキサス北部のバンハンドル。二挺拳銃の伊達男サム・トリッガーが現れた。彼はセンチネルの町で殺された弟の復讐に来た途中に、この町を通ったのだった。たどり着いたセンチネルで偶然ダスティと知り合う。町はマット・カーソンの支配下にあり、喧噪と殺りくに明け暮れていた。翌日サムはダステイと再会し彼女の父親がマットに撃たれて死んだ事を聞く。さらに殺された弟とダスティーが婚約者だったと知り驚く。サムは二人の命を奪ったマットに決闘を申し入れたのだが現れたのは手下3人だった。映画監督デビュー前のブレイク・エドワーズが製作他で協力した西部劇で『荒野の決闘』のキャシー・ダウンズがダステイ役を好演する等、キャメロンの膝射ちも見応え十分の作品。
上映日:4/11(月)&18(月)17時~
『無頼の谷』Rancho Notorious(1952年/カラー/89分)
監督:フリッツ・ラング
製作:ハワード・ウェルシュ
原作:シルヴィア・リチャーズ
脚本:ダニエル・タラダッシュ
撮影:ハル・モーア
音楽:エミール・ニューマン
出演:アーサー・ケネディ マレーネ・ディートリッヒ メル・ファーラー ロイド・ガフ グロリア・ヘンリー ウィリアム・フローリイ ジャック・イーラム ジョージ・リーヴス
★婚約者を殺された男が、犯人のひとりが遺した言葉を頼りに仲間を追い復讐を遂げようとする。物語はウィリアム・リーの歌う「チャック・アラックの伝説」に連れて進行し、かつては酒場の歌姫で、今は牧場の主人のディートリッヒが鍵を握る女に扮している。
上映日:4/15(金)&22(金)18時40分~
『西部魂』Western Union(1941年/B&W/94分)
監督:フリッツ・ラング
原作:ゼイン・グレイ
脚本:ロバート・カーソン
撮影:エドワード・クロンジャガー アレン・M・デイヴィ
音楽:デヴィッド・バトルフ
出演:ロバート・ヤング ランドルフ・スコット ディーン・ジャガー ヴァージニア・ギルモア ジョン・キャラダイン スリム・サマーヴィル チル・ウィルス バートン・マクレーン
★アメリカ開拓時代を舞台に展開するスペクタクル・ロマン。Z・グレイ原作『ウェスタン・ユニオン』を、R・ヤング、R・スコットなどの多彩なキャストで、テクニカラー色彩により鮮やかに描く。W・ユニオン電信会社の技師エドワードは落馬により大怪我、そこをとある若い男に助けられる。やがてエドワードは大陸を横断する通信網を確保するための人夫を募集、その中の一人にかつて助けられた男の姿があった。インディアンの襲撃、無法の限りを尽くすアウトロー、そして美しいヒロインなど、全編に渡り西部劇の醍醐味が満載。無限にも思える広大な大地など、みどころたっぷりな作品と仕上がってる。
上映日:4/14(木)&21(木)18時40分~
『ミズーリ横断』Across The Wide Missouri(1951年/カラー/78分)
監督:ウィリアム・A・ウェルマン
製作:ロバート・シスク
原作:タルボット・ジェニングス フランク・キャヴェット
脚本:タルボット・ジェニングス
撮影:ウィリアム・C・メラー
音楽:デヴィッド・ラクシン
出演:クラーク・ゲイブル リカルド・モンタルバン ジョン・ホディアク アドルフ・マンジュー マリア・エレナ・マルクェス J・キャロル・ネイシュ ジャック・ホルト アラン・ネイピア リチャード・アンダーソン
★ロッキーの山中でビーバーの棲息地を見つけた猟人がインディアンと友好関係を結び、酋長の娘と結ばれる。やがて男の子が生まれるが、これを快く思わぬ一派に襲われ、愛息をも奪われそうになるのだが・・・・。西部劇にお決まりの砂塵が舞う荒野ではなく、ロッキーの美しい自然が色彩豊かに描かれており、開拓時代の猟人たちの生活も丁寧に描写されている。
上映日:4/14(木)&21(木)15時30分~
『月下の銃声』Blood on The Moon(1948年/B&W/88分)
監督:ロバート・ワイズ
製作:セロン・ワース
原作:ルーク・ショート
脚本:リリー・ヘイワード
撮影:ニコラス・ムスラカ
音楽:ロイ・ウェッブ
出演:ロバート・ミッチャム ウォルター・ブレナン ロバート・プレストン バーバラ・ベル・ゲデス フィリス・サクスター チャールズ・マックグロー
★R・ワイズが「罠」で認められる前年に撮ったミッチャム主演のノワール西部劇とでも呼ぶべき一編。演出のつかみが拙く、雰囲気でみせる作品にしろ、あまりにテンポが悪いが、RKOのB級暗黒映画を支えた名手ムスラカのロウ・キーのカメラが部分部分西部劇らしからぬ効果をあげていて、そこが見どころ。流れ者のカウボーイ、ジム・ギャリーは、旧友のライリング(プレストン)に呼び寄せられ、ガンマンとして雇われる。ライリングは牧場主ラフトンの許で働いていたが仲違いし、彼の牛運びをさまたげて困窮したところで牛を安く買いたたこうと、インディアン居留地の係官と組んで陰謀を企んでいた。ジムは最初、その手先として利用されるのだが、同じく騙されていた入植者のクリス(ブレナン)の息子が無残にも計画の犠牲になるのを見て、ラフトン側に寝返って、その次女エイミー(ベル・ゲデス)やクリスと協力してライリング一味を討つ。森の小屋に立てこもっての、そのクライマックスもまずまずだが、場面としてよいのは、中盤の薄暗い居酒屋でのライリングとの殴り合いで、その後のブレナンとのやりとりにも実感がこもる。ただ、出だしの雨中の旅から期待させるほどのリアルな味は、全体ににじみ出ていない。雪の中、係官を拘束して連れ回すくだりなど、もう少し膨らませても面白かった。ヌーボーとしたミッチャムと、どちらかと言えばオカメ顔のベル・ゲデスの取り合わせは意外にマッチしていた。
上映日:4/11(月)&18(月)18時40分~
『大平原』Union Pacific(1939年/B&W/136分)
監督・製作:セシル・B・デミル
原作:アーネスト・ヘイコックス
脚本:ウォルター・デレオン C・ガードナー・サリヴァン ジャック・カニンガム ジェシー・ラスキー・Jr
撮影:ヴィクター・ミルナー
特殊効果:ゴードン・ジェニングス
音楽:ジグムンド・クラムゴールド ジョン・レイポルド ジョージ・アンセイル
出演:バーバラ・スタンウィック ジョエル・マクリー ロバート・プレストン エイキム・タミロフ ブライアン・ドンレヴィ アンソニー・クイン リン・オーヴァーマン イヴリン・キース ロン・チェイニー・Jr
★C・B・デミルの大作開拓劇で、今回はセントラルとユニオン・パシフィックの鉄道敷設競争が背景となる。東部からカリフォルニアまで、労働者を運びながらレールを敷くユニオン側の名物機関士の娘で郵便係のモリーがスタンウィックの役どころ。モリーは工事監督のジェフ(マクリー)と、彼の北軍での戦友でギャンブラーのディックの双方から愛され、ジェフを想いながらも彼の危機を救うためディックと結婚をする。その辺が話の芯で、デミルだから演出は大雑把だがバーバラは健闘して、モリーの男勝りな反面、繊細な乙女心をしっとり表現している。スペクタキュラーとしては、スー族の襲撃シーンが、汽車を横転させるほどの大変な迫力。
上映日:4/11(月)&18(月)13時~
『裸の拍車』The Naked Spur(1953年/カラー/91分)
監督:アンソニー・マン
製作:ウィリアム・H・ライト
脚本:サム・ロルフ ハロルド・ジャック・ブルーム
撮影:ウィリアム・メラー
音楽:ブロニスラウ・ケイパー
出演:ジェームズ・スチュワート ジャネット・リー ロバート・ライアン ラルフ・ミーカー ミラード・ミッチェル
★「ウィンチェスター銃'73」「怒りの河」とユニヴァーサルで当たりを取ったマン=スチュワートのリアル西部劇コンビを、MGMが招聘して作った、マン独特の感覚がますます冴える傑作だ。彼らのウェスタンにはまず広大な西部と言う概念が稀薄で、本作ものっけから緊迫した丘陵地帯での追っかけから始まる。
追う賞金稼ぎケンプ(スチュワート)はかつて所有していた牧場を従軍中、妻に売り払われ駆け落ちされた身の上。再び牧場を買い戻すためにも、是が非でも同じ町出身のお尋ね者ベン(謎めいたライアンがうまい)を引っ捕らえる覚悟だ。彼は通りすがった金鉱探しの老人ジェシー(ミッチェル)に保安官と偽って協力を仰ぐが、この嘘を、酋長の娘に手を出してインディアンに追われる騎兵隊くずれのロイに見破られるが、彼の参加もあってベンとその情婦リナ(短髪で男勝りのJ・リー)を捕える。しかし懸賞金の配分をめぐり穏やかならざる空気が漂う。ベンはまず大人しく捕まって、彼らの仲間割れを待とうという頭の良い男で、道中常に薄笑いを浮かべ、インディアンとの戦いで足に故障したケンプがもうろうとしていると見るや、その緩めた鞍ごと崖から落とそうとしたり、宿にした洞窟の岩の裂け目をも隙あらば這いずって逃げようと、とにかく油断がならない。リナは、無実を主張する彼をあくまで信じようとするが、脱走のため偽りの金鉱話で老人を騙し罠の囮に殺してしまってからはいよいよ愛想をつかす。ベンは老人の死体を見えやすい位置に転がし、駆けつけたケンプらを崖上から狙うが、リナに邪魔され所在を掴まれ、ケンプは外した拍車を手に彼ににじり寄る。そのスリルたるや大変なもの。
上映日:4/15(金)&22(金)17時~
『果てしなき蒼空』The Big Sky(1952年/B&W/121分)
監督・製作:ハワード・ホークス
原作:A・B・ガスリー・Jr
脚本:ダドリー・ニコルズ
撮影:ラッセル・ハーラン
音楽:ディミトリ・ティオムキン
出演:カーク・ダグラス デューイ・マーティン エリザベス・スレット アーサー・ハニカット バディ・ベア ハンク・ウォーデン
★D・ティオムキンの雄然と、しかし穏やかなテーマが被さり、心なしかそっと始まる感のある、これは西部劇ではなくアメリカ北西の開拓劇。未開の森林地帯を舞台に展開する狩人たちの物語だ。彼らに対する作者の憧れが和やかに伝わり、劇的な盛り上がりには欠けるが、決して力のない作品ではない。セント・ルイスからミズーリ河を遡り、毛皮のために獣を撃つ小集団の頭セブ(ハニカット)を訪ねる甥のブーン(マーティン)と旅の途中出会ったジム(ダグラス)は、彼らと行動を共にし、敵対する大商会がテリトリーとする流域の更に千マイル上流のブラックフット族との交易に向かう。誘拐されたのを奪還した、同族の酋長の娘ティール・アイが同乗し、ジムとブーンの彼女をめぐる三角関係もそこはかとなく描かれ、いい雰囲気(普通ならここでこれみよがしなドラマを盛るはずなのだが、あえてそれをしないのだ)。ダクラスはいつもの自己主張を完全に殺して、ジョン・ガーフィールドを想わす精悍な二枚目半のマーティンを立てて、その恋も譲ってしまう役柄。物足りなくも、この薄ぼんやりした感じのダグラスは悪くない。さて、ティール・アイの花婿となったブーンも一度は帰りの船に乗るのだが、最後には思い直し、来シーズンの再会を約して彼女のもとへ舞い戻っていく。いわば、別離シーンが間を置かず二度繰り返される錠破りのエピローグがあるのだが、この別れの連なりが時を経て想い起こすと、すこぶる印象的なのである。雄大なロケ撮影と同じく、セットでの霧にまかれる船の描写なども秀れたハーランの撮影。全篇に漂うケイジャン(フランス人移植者)文化もよいエッセンスとなっている。
上映日:4/13(水)&20(水)13時~
スニークプレビュー(日替り)
上映日:4/14(木)&15(金)&21(木)&22(金)13時~
入場料:1300円均一(当日券のみ)
※2本連続鑑賞2400円 3本連続鑑賞3500円 4本連続鑑賞4500円
欧米クラシック・シリーズ67
西部劇特集
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