撮影所出身の職人作家
すずきじゅんいち監督の映画祭
すずき じゅんいち(本名・鈴木潤一)、1952年5月神奈川県茅ヶ崎市生まれ。
神代辰巳、市川崑らに師事、『婦人科病棟』(81)で監督デビュー。
1984年、日活退社後、青年海外協力隊を経てフリーランスに転じ、『マリリンに逢いたい』(88)、『砂の上のロビンソン』(89)など、ヒット作、話題作を発表する。
2001年に、アメリカ・LAに移住、監督・プロデューサーとして、外国の映画製作に協力。
2012年に日本に帰国し、現在は日本を拠点に活動している。
妻は女優の榊原るみ。
撮影所出身の最後の世代に属する映画監督・すずきじゅんいち。
ロマンポルノ、ファミリー向けドラマ、コメディ、ホラー、ドキュメンタリーなど、ジャンルを問わずエンターテインメントとして仕上げる手腕は玄人筋から高く評価されています。
そのすずき監督が自ら主宰する映画製作会社フィルムヴォイスが製作に関わった作品7作品を特集上映します。
横浜を舞台にしたハートフルファミリードラマ『スキヤキ』、妻である榊原るみを主演にした異色官能ドラマ『ひとりね』、アメリカ時代に製作協力したサンダンス映画祭グランプリ『イン・ザ・スープ』の3作品を35ミリフィルム上映する他、榊原るみと松下恵の親子共演が話題となったヒューマンドラマ『秋桜 コスモス』、第2次世界大戦時の日系人たちの歴史を追ってきたすずき監督のライフワークとして日米ともに高い評価を得た日系史記録映画3部作『東洋宮武が覗いた時代』、『442日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍』、『二つの祖国で 日系陸軍情報部』。
初日と2日目はスペシャルイベントも開催。
初日『秋桜 コスモス』上映後、すずき監督と主演の松下恵さん、共演の榊原るみさんをゲストに、2日目『スキヤキ』上映後、すずき監督とキャストの宍戸開さん、更にすずき監督の監督官として榊原るみさんをゲストにお迎えし、それぞれロングトークショー、サイン会、撮影会、懇親会(2日目のみ)を行います。
また、4日、5日の最終回上映後にもすずき監督のミニトークショーが行われます。
お客様の質疑応答にもお応え下さる予定です。
映画ともどもぜひお楽しみ下さい!!
上映作品
『スキヤキ』(1995年/35ミリ【英字幕版】/カラー/95分)
監督:すずきじゅんいち
製作:鈴木潤一
原作:巴清美
脚色:すずきじゅんいち 小杉哲大
撮影:奈良一彦
美術:宍戸一嗣 島えり
編集:松尾浩
音楽:茂野雅道
出演:関谷理香 関谷由香 左幸子 川地民夫 宍戸開 見栄晴
あらすじ:横浜・伊勢佐木町にボストングリルという洋食屋さんがある。ここには主人の良平と、双子の姉妹・由香と理香、祖母の花子の四人が暮らしていた。一見幸せそうに見える一家だったが、実はそれぞれに問題を抱えている。由香はてんかんの持病を持ち、理香は結婚を焦る恋人・河野との愛に行き詰まり、そして花子は重度のボケが進行していたのだ・・・。
『秋桜 コスモス』(1997年/BD/カラー/103分)
監督・製作・原作:すずきじゅんいち
脚色:すずきじゅんいち 小杉哲大
撮影監督:田中一成
撮影:奈良一彦
美術:稲垣尚夫
編集:掛須秀一
音楽:佐村河内守
出演:小田茜 松下恵 夏木マリ 宍戸開 石井愃一 藤田敏八 川地民夫 野口雅弘 榊原るみ 宍戸錠 山岡久乃
あらすじ:移住した南米で遭った事故で父親を亡くし、自らも輸血でHIVに感染してしまった17歳の少女・明子は、母親とともに7年ぶりに故郷の福島県本宮町に戻ってきた。彼女の病気はすでに町中の噂になっており、地元の高校に通うことには反対の声も上がっている。しかし、明子には親友の夏実という強い味方があった。明子の病気に理解を示した夏実は、7年間のブランクを埋めるように明子との交流を深めていく・・・。
『ひとりね』(2001年/35ミリ/パートカラー/89分)
監督:すずきじゅんいち
製作総指揮:鈴木隆一 すずきじゅんいち
プロデューサー:小杉哲大
原作:馬場当
脚本:馬場当 柴田千晶
撮影:長田勇市
美術:岩城南海子
編集:今井剛
音楽:村山達哉
出演:榊原るみ 米倉斉加年 高橋和也 余貴美子 梅田凡和 榊原めぐみ
風祭ゆき 内海桂子
あらすじ:「ただいま」という声に、織江(榊原るみ)が玄関に出ると、見知らぬ若い男(高橋和也)がいた。「間違えました」と、男は表情も変えずに立ち去る。翌日も男は来て、織江に微笑みかけるとそっと立ち去った。その夜、夫は織江に隙があるからだ、と厳しく叱る。秋も深まったある日、織江の元に小包と手紙が届く。手紙には「先日は失礼いたしました。偶然入ったお宅であなたが現れて・・・。2度目は、もういちどあなたに会いたくなって」と書かれていた・・・。
『イン・ザ・スープ』In the Soup(1992年/アメリカ/35ミリ/モノクロ/93分)
監督:アレクサンダー・ロックウェル
脚本:アレクサンダー・ロックウェル ティム・キッセル
製作総指揮:鈴木隆一
製作総指揮協力:すずきじゅんいち 船原長生
製作:ジム・スターク ハンク・ブルーンタール
撮影:フィル・パーメット
美術:マーク・フリードバーグ
音楽:メイダー
編集:デイナ・コングドン
出演:シーモア・カッセル スティーブ・ブシェーミ ジェニファー・ビールス ウィル・パットン スタンリー・トゥッチ ジム・ジャームッシュ キャロル・ケイン
あらすじ:ニューヨーク、イーストビレッジのクリスマス。映画製作に情熱を燃やすシャイな青年アルドルフォは、隣に住む美女アンジェリカをヒロインに映画を撮ることを夢見ている。しかし、現実はバイトで稼ぐわずかな金でなんとか食いつなぐ毎日が続いている。ついに生活に困り、大切にしていた自作映画の脚本を売りに出すことにする。すると、広告を見てジョーという男が現れ・・・。
『東洋宮武が覗いた時代』Toyo's Camera(2008年/日本=アメリカ/BD/パートカラー/98分)
監督・脚本:すずきじゅんいち
エグゼクティブプロデューサー:上利浩二 鈴木隆一
プロデューサー:岡野進一郎
撮影:小渕将史 本間秀幸
音楽:喜多郎
ナレーション:ジョージ・タケイ
出演:アーチー・ミヤタケ タケコ・ミヤタケ ジョージ・タケイ ダニエル・イノウエ アイリーン・ヒラノ
解説:第2次世界大戦中、アメリカの市民権を持つにも関わらず強制収容所に収容された東洋宮武は、収容所内で手製のカメラを作り、そのカメラで収容所の実態を記録した。東洋の500枚の写真と、東洋と親交があった写真家アンセル・アダムスとエドワード・ウェストンの作品と共に、収容所の真実と日系人の歴史を描くドキュメンタリー。
『442日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍』442 Live with Honor, Die with Dignity(2010年/日本=アメリカ/BD/カラー/97分)
監督・企画・脚本:すずきじゅんいち
音楽:喜多郎
撮影:小渕将史
編集:水原徹
解説:第2次世界大戦時に日系人のみで構成されたアメリカ陸軍442連隊。父母の祖国である日本と戦うことに苦悩し、さらにアメリカ国内では人種差別と戦いながら、アメリカ軍史上最も多くの勲章を受けた部隊の真実を、80代から90代となった当事者たちの貴重な証言を交えながら描きだしたドキュメンタリー。
『二つの祖国で 日系陸軍情報部』MIS: Human Secret Weapon(2012年/日本=アメリカ/BD/カラー/100分)
監督・企画・脚本:すずきじゅんいち
製作:鈴木隆一 渋谷尚武 古賀哲夫 櫻井雄一郎
撮影:小渕将史
編集:水原徹
音楽:喜多郎
出演:ハリー・アクネ グラント・イチカワ ノーマン・ミネタ ダニエル・イノウエ ジェイク・シマブクロ タムリン・トミタ
解説:米国陸軍の秘密情報機関「MIS(ミリタリーインテリジェンスサービス)」の中心メンバーだった日系2世の元兵士たちの証言をもとに、2つの祖国への思いを描くドキュメンタリー。「東洋宮武が覗いた時代」(08)、「442日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍」(11)で第2次世界大戦時の日系人たちの歴史を追ってきたすずきじゅんいち監督による、日系史映画3部作の最終作。
上映期間:
6月29日(土)~7月5日(金)
タイムテーブル:
『スキヤキ』
6月30日(日)14時~【特別興行】
7月3日(水)&5日(金)17時~
『秋桜 コスモス』
6月29日(土)14時~【特別興行】
7月3日(水)19時~
7月5日(水)15時~ ※関係者舞台挨拶あり
『ひとりね』
6月29日(土)12時~
7月3日(水)15時~
『イン・ザ・スープ』
6月30日(日)12時~
7月5日(水)19時~ ※上映後、すずき監督のミニトークショーあり
『東洋宮武が覗いた時代』
7月1日(月)&4日(木)15時~
『442日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍』
7月1日(月)&4日(木)17時~
『二つの祖国で 日系陸軍情報部』
7月1日(月)&4日(木)19時~
※4日上映後、すずき監督のミニトークショーあり
イベント日:
6月29日(土)
14時~『秋桜 コスモス』上映
15時45分~休憩
16時~トークショー ゲスト:すずきじゅんいち監督 榊原るみさん 松下恵さん
17時30分頃~サイン会(お一人2点)・撮影会
18時20分頃終演予定
6月30日(日)
14時~『スキヤキ』上映
15時35分~休憩
15時50分~トークショー ゲスト:すずきじゅんいち監督 宍戸開さん 榊原るみさん
17時15分頃~サイン会(お一人1点)・撮影会
18時頃終演予定
終演後、バースペースにて、ゲストを囲んでの懇親会(要別途会費)あり
入場料:『スキヤキ』『ひとりね』『イン・ザ・スープ 』前売1800円 当日2000円 、『秋桜 コスモス』『東洋宮武が覗いた時代』『442日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍』『二つの祖国で 日系陸軍情報部』前売1600円 当日券1800円、6/29『秋桜 コスモス』のみ特別料金 前売6000円 当日6500円 6/30『スキヤキ』のみ特別料金 前売4500円 当日5000円 懇親会費4000円 ※特別興行につき、7/1はファーストデー割はございません