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欧米クラシック・シリーズ第54弾は1950年代アメリカ映画の巨匠で、トリュフォーやゴダールなどヌーヴェルヴァーグの映画作家たちからリスペクトされたニコラス・レイの特集です。

存命時は本国でも日本でもあまり高い評価を得られなかった監督ですが、のちに弟子筋のヴィム・ベンダース、ジム・ジャームッシュらインディーズ出身の成功した映画作家たちによって再評価の機運が高まり、現在では孤高の映画作家として映画ファンの支持を得ています。

今回はニコラス・レイのキャリアのスタート地点となったRKO作品を中心に6本セレクトしてお届けします。

更にオマケとしてスニークプレビューも1本追加!

例によって複数本割もございますので、ぜひご利用下さい!!

ニコラス・レイ Nicholas Ray(1911年8月7日 - 1979年6月16日)

アメリカ合衆国ウィスコンシン州出身。

本名レイモンド・ニコラス・キンズル・ジュニア。

戦後、RKOに就職、1947年に『夜の人々』で監督デビュー。

1950年代にフリーになり、主題歌が世界的なヒットとなった西部劇『大砂塵』や、ジェームズ・ディーン主演の『理由なき反抗』などを手掛けるが、アルコール依存症やそれに伴う奇行、体調不良が原因でハリウッドを離れ、ヨーロッパに拠点を移す。

1963年の『北京の55日』の撮影時に心臓発作を起こして、商業監督から退き、1972年にニューヨーク大学の講師に就任。

学生たちとビデオや16ミリフィルムなどで映画を制作するが、1979年、肺癌で死去。享年67。

 

 

上映期間 1月25日(月)~29日(金)

上映作品(全作品アメリカ映画・DVD上映)

『女の秘密』A Woman’s Secret(1949年/モノクロ/84分)

監督:ニコラス・レイ

製作・脚本:ハーマン・J・マンキウィッツ

原作:ヴィッキー・バウム

撮影:ジョージ・E・ディスカント

音楽:ナシオ・ハーブ・ブラウン フレデリック・ホランダー

出演:モーリン・オハラ メルヴィン・ダグラス グロリア・グレアム ビル・ウィリアムズ ヴィクター・ジョリイ ジェイ・C・フリッペン ロバート・ワーウィック

★美声を失い将来を絶たれた歌手とピアニスト、彼らに拾われた歌手の卵との三角関係は・・・。口論がもとで被弾して病院に運ばれた娘に、自分の代わりに歌手として成功してもらいたい一心からウソの証言をして自ら刑務所に入った女の無実が証明されるべく、それまでの三人の関係がフラッシュバックで語られていく。その後のフィルム・ノワールの傑作群につながる心理的暗さが表現された、回想形式で語られるサスペンス・メロドラマ。

上映日:10月25日(月)&28日(木)18時30分~

 

『生まれながらの悪女』Born To Be Bad(1950年/モノクロ/94分)

監督:ニコラス・レイ

製作:ロバート・スパークス

原作:アン・パリッシュ

脚本:ジョージ・オッペンハイマー ロバート・W・ソダーバーグ エディス・R・ソマー

撮影:ニック・ムスラカ

出演:ジョーン・フォンテイン ロバート・ライアン ジョーン・レスリー メル・ファーラー ザカリー・スコット

★財田舎育ちをコンプレックスに持ちながら都会の豪華な暮らしに憧れを抱くクリスタベル。上流社会にコネをつくり、周囲の人々を翻弄しながら社交界を上り詰めていく。クリスタベルは何が何でも地位と名誉を我がものにしようと、純真無垢な姿と冷酷非道の本心をうまく使い分けながら、あれこれと策略を巡らすのだが・・・。産目当てのうぬぼれ性悪女が生きる道は・・・。財産目当てでいとこの婚約者を奪い、脇には愛する男をキープする悪女のジョーン・フォンティーン。今どきの女性の生き方そのものを軽快なタッチで描く鬼才ニコラス・レイによるオフビートな一作。

上映日:10月27日(水)&29日(金)15時~

 

『脅迫者(ラケット)』The Racket(1951年/モノクロ/89分)

監督:ジョン・クロムウェル ニコラス・レイ

製作:エドマンド・グレンジャー

原作:バートレット・コーマック

脚本:ウィリアム・ウィスター・ヘインズ W・R・バーネット

撮影:ジョージ・E・ディスカント

音楽:ロイ・ウェッブ ポール・ソーテル

出演:ロバート・ミッチャム リザベス・スコット ロバート・ライアン ウィリアム・タルマン レイ・コリンズ ジョイス・マッケンジー ロバート・ハットン

★舞台はアメリカ中西部の大都市。マフィアによる犯罪や収賄に危機感を抱くマクイッグ警部は、組織の一掃を計ろうとする。姿を現さない黒幕”親父”の存在に脅かされながらも、マクイッグはスラム育ちの幼なじみだったギャングのスキャンロンを追いつめていく。自宅を爆破され妻に怪我を負わされながら、ほとんど無表情で正面から突き進む正義漢警部マクイッグ。彼とは対照的に、部下の言葉一つにも神経を尖らすスキャンロン。そして、二人を利用しようとする判事や市の政治家たち。脛に傷を持つ人間達がうごめく、闇の世界を切り取ったバーネット・コーマックの舞台劇をクロムウェルがリメイクしたノワール。

上映日:10月27日(水)&29日(金)18時30分~

 

『危険な場所で』On Dangerous Ground(1952年/モノクロ/82分)

監督:ニコラス・レイ

製作総指揮:アルバート・S・ロージェル

製作:ジョン・ハウスマン

脚本:A・I・ベゼリデス

原作:ジェラルド・バトラー

撮影:ジョージ・E・ディスカント

音楽:バーナード・ハーマン

出演:ロバート・ライアン アイダ・ルピノ ウォード・ボンド エド・ベグリー クレオ・ムーア チャールズ・ケンパー

★ニューヨーク市警の殺人課刑事ジムはハードな捜査方法で署内でも孤立した存在だった。そんなある日、上司のブラウリー警部から郊外の山中の静かな町で起きた少女殺害事件への協力を言い渡される。ジムは、日頃の荒っぽい捜査方法が非難され郡部に左遷されるという、その体のいい厄介払いに失望しつつニュージャージーの町へと向かった。ジムは殺された少女の父親ブレントとともに、容疑者の少年の姉が住んでいる一軒家へ向かう。そこで出会ったメリーという盲目の娘をひと目見たジムは、彼女のかもし出す孤独な淋しい影に心惹かれてゆくのだった・・・。心荒んだ刑事と美しい盲目の娘との愛の行方は・・・。殺人事件の容疑者を追う血も涙もない鬼刑事と、その容疑者の孤独な姉との出会い、そして愛の行方。ニコラス・レイ独特の徹底した映像の力で語る痛切な物語。

上映日:10月25日(月)&28日(木)17時~

 

『不屈の男たち』The Lusty Men(1952年/モノクロ/113分)

監督:ニコラス・レイ

製作:ジェリー・ウォルド

原作:クロード・スタナッシュ

脚本:デヴィッド・ドートート ホレイス・マッコイ

撮影:リー・ガームス

編集:ラルフ・ドーソン

音楽:ロイ・ウェッブ

出演:スーザン・ヘイワード ロバート・ミッチャム アーサー・ケネディ アーサー・ハニカット フランク・フェイレン ウォルター・コイ

★ロデオ・スターのジェフ・マクロードは、猛牛相手のロデオ大会での怪我をきっかけに故郷に帰る。彼は地元の農園に雇われ、そこで労働者仲間のウェスと妻のルイーズと仲良くなる。ウェスには将来自分の農場を持つ夢があり、ロデオ大会で優勝すれば夢に近づけると思っている。そこでウェスはジェフにロデオのコーチをしてくれるよう説得する。だがルイーズは、ウェスがジェフのように負傷者になって欲しくないとためらうのだった。彼女の心配を振り切って3人は、不確かな夢を求めて、車で旅に出る。彼らが手に入れるのは成功か、あるいは絶望か。ロデオ・スターに挑む男たちをニコラス・レイがリアルに描いた、スリル満載の現代版ウエスタンで、数多くのロデオ・シーンは圧巻。

上映日:10月25日(月)&28日(木)15時~

 

『マカオ』Macao(1952年/モノクロ/80分)

監督:ジョセフ・フォン・スタンバーグ  ニコラス・レイ

製作:アレックス・ゴットリーブ

製作総指揮:サミュエル・ビショフ ハワード・ヒューズ

原案:ロバート・クレイトン・ウィリアムズ

脚本:スタンリー・ルービン バーナード・C・ショーンフェルド

撮影:ハリー・J・ワイルド

音楽:アンソニー・コリンズ

出演:ロバート・ミッチャム ジェーン・ラッセル グロリア・グレアム ウィリアム・ベンディックス トーマス・ゴメス ブラッド・デクスター エドワード・アシュレイ フィリップ・アーン

★楽園と犯罪都市の顔をもつマカオへ向かう船上に3人の男女がいた。謎めいたクラブ歌手のジュリーと風変わりな流れ者ニック、そして旅行会社のセールスマンのトランブルだ。3人はそれぞれの思いを胸に香港からやって来たが、マカオに上陸したその時からこの町の闇の世界に巻き込まれていく。『替え玉殺人計画』(’51)に続くミッチャム=ラッセルの共演作で夜の波止場での追跡シーンなどノワール・ムード満載のエンターテインメント。スタンバーグ最後のアメリカ映画となったが途中降板し、ニコラス・レイが後を引き継いだ。作品は’50年に完成したが、RKOの事情で公開は’52年となった。

上映日:10月27日(水)&29日(金)17時~

スニークプレビュー

上映日:10月25日(月)&27日(水)12時~

入場料:1300円均一(当日券のみ)

※2本連続鑑賞2400円 3本連続鑑賞3500円 4本連続鑑賞4500円

欧米クラシック・シリーズ54

ニコラス・レイ監督特集

 

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